オンラインカラオケ大会「カラオケキング」の審査委員長を務めさせていただきました。

2020年以降、急速に普及してきた新しいカラオケ大会形式であるオンライン大会。
今回唯野は、2022年1月に始まったオンラインカラオケ大会「カラオケキング」の
第1回審査委員長を務めさせていただきました。

「カラオケキング」の公式サイトはこちら。
https://ameblo.jp/karaoke-king-2022/

主宰の三枝友佳さんはコロナ禍以前は「ダイヤモンドシアター2」という、
優勝賞金10万円の大型カラオケ大会を主催されていました。

長きにわたってカラオケ大会への造詣の深い三枝さんによるオンライン大会が
今回開催の「カラオケキング」となります。

以前唯野が審査に伺った「ダイヤモンドシアター2」の記事はこちら。
https://enjoysing.com/karaoke7276

「カラオケキング」の大きな特徴は、自由曲部門と課題曲部門の2部門で構成されている点。
自由曲部門は文字通り、ご出場者が自由に選曲をして歌唱される部門、
そして課題曲部門はこれまた文字通り、指定された楽曲を各ご出場者が歌唱される部門です。

課題曲部門の楽曲は審査委員長が指定するということでしたので、
今回唯野は、King Gnuの「白日」を課題曲とさせていただきました。

この「白日」という楽曲をご存知な方はご承知かと思いますが、
音域も非常に広くリズミカルな歌い回しも必要なかなりの難曲です。

そういう意味では、大会の課題曲としてはややハードルが高いかなと思いましたが、
いざご出場者の歌唱楽曲を拝見してみると、
みなさま見事にしっかり歌いこなされていて大変素晴らしく感じました。
入賞の有無に関係なく、挑戦いただいた全てのご出場者様に敬意を表します。

今回「白日」を指定させていただいた大きな理由は以下の通りです。
それは「大会における皆様方の選曲の幅を広げるきっかけとなれば…」という想いです。

オンライン大会・オフライン大会に限らず、カラオケ大会の常連ご出場者の中には、
「カラオケ大会では大会向きの楽曲を歌うものだ」
といったイメージをお持ちの方が割合多いように日々感じております。

「大会向きの楽曲」をはっきり定義するのはなかなか難しい所ですが、
唯野が10数年にわたって大会会場に伺ったり、運営・審査に携わったりしている経験上、
ややゆったり目のバラードで、盛り上げ所があり、ワンコーラスの歌唱時間の長い楽曲が、
比較的カラオケ大会でセレクトされやすい楽曲のように感じています。

もちろん、様々なタイプの楽曲の中からご自身のご判断の上で、
上記のような楽曲を歌われるのは良いと思います。

しかしながら、
「大会では、大会向きの楽曲を歌わ『なければならない』」
「大会向きの楽曲『でなければ』賞に入らない」
といった思い込みによって、最初から選曲の幅を狭めてしまう方がいるとすれば、
それは非常にもったいないことのように感じます。

その点「白日」という楽曲は、
一般には「大会向きの楽曲」というイメージは少ないと思います。
唯野もこれまで大会で「白日」を歌われる方を見かけたことはほぼございません。
(これまでお見かけしたのは「TKGオンライン」を含め、2組です)。

では「白日」は大会で評価されにくい楽曲なのかと言うと、
決してそうではないと思います。
むしろ難曲であるがゆえ、見事に歌いこなされると相応の高評価を期待できる楽曲です。

実際、今回「課題曲部門」では皆様見事にワンコーラスを完成されていました。
この完成度であれば、仮にオフライン大会で「白日」を歌唱されたとしても、
十分に入賞を期待できる方々ばかりであったと感じています。

いわゆる「大会向きの楽曲」でなくても、歌唱の出来が見事であれば入賞は期待できます。
ぜひとも選曲に関する思い込みを解き放って、
皆様ご自身に合ったジャンルの楽曲を自由な発想でお選びいただければ、
ご自身らしい良いパフォーマンスが発揮され、カラオケ大会をより楽しめるかと思います。
(もちろん自由な発想の結果として「大会向きの楽曲」を選ばれたとしても全くOKです)

カラオケキングにご出場いただいた自由曲部門の48名の皆様、課題曲部門の32名の皆様、
大変にお疲れ様でした。

 

<追伸>

今回審査をさせていただいて、全体を通して気になった点を申し上げます。
それは、ビブラートについてです。
特に、語尾のビブラートの主張が強すぎる方々が多く見受けられ、
審査をさせていただきながら「もったいないなあ」と感じておりました。

「ビブラートの主張が強すぎる」とは、
歌声の響きや歌詞のフレーズよりもビブラートの揺れの方が耳に残ってしまう、
(つまりビブラートが目立ち過ぎている)ということを指します。

料理に喩えると、素材となるのは楽曲そのもの。
大会でその楽曲を歌うご出場者様は「料理人」と呼べるかと思います。
そして、歌唱テクニックは言わば「調味料」。
素材に対して適切に調味料を加えつつ、どのように料理を構成していくかが、
それぞれの料理人の個性や腕であり、料理の完成度にも繋がるものと考えます。

ある意味、ビブラートの目立ち過ぎる歌唱は、調味料の主張の強い料理とも言えます。

唯野の実家は中華料理店で、唯野もよくチャーハンを作るのですが、
お米や卵や肉などの素材と調味料が見事にマッチすると(我ながら)おいしく感じますが、
たとえば塩を入れ過ぎた時などは、素材よりも塩の主張が強くなり過ぎるため、
チャーハンそのものを程良く味わうことができなくなってしまいます。

つまり、「適量」であることが、最も素材を生かした分量であると言うことができます。
これは、料理における調味料でも歌唱におけるテクニックでも同様かと思います。

また、料理の種類・メニューに応じて調味料の適量度合いが異なるのと同様に、
個々の楽曲においてもビブラートの適量度合いは異なります。

たとえばKing Gnuの「白日」のワンコーラス中にはビブラートはほとんどございません。
https://www.youtube.com/watch?v=ony539T074w

ほとんどビブラートを入れなくても良い楽曲もあれば、
ビブラートを多用する方が引き立つ楽曲もございます。
楽曲に応じたさじ加減を意識してビブラートの分量を使い分けていただければと思います。

また、語尾の終え方だけでもざっと以下のパターンが挙げられます。

◆1. しっかり止める:「あいしてる」
◆2. 勢いよく切る:「あいしてるっ」
◆3. 語尾の響きを残す:「あいしてるぅ」
◆4. 真っすぐ伸ばす:「あいしてるーーー」
◆5. 伸ばして最後にビブラートを添える:「あいしてるーー~」
◆6. あえてビブラートを強調する:「あいしてる~~~」

上記それぞれの語尾は、聴き手に残す余韻や印象がそれぞれ異なります。
全ての語尾においてビブラートが(無意識に)入ってしまいがちな方は、
ぜひ一度、フレーズそれぞれの語尾を振り返ってみてください。

今回のカラオケキングのご出場が皆様方にとっての何かしらの気づきに繋がり、
今後ますますカラオケを、カラオケ大会を楽しんでいただけるきっかけになるとすれば、
審査員として大変に光栄に存じます。

ご出場、大変にお疲れ様でした。

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