カラオケパセラさん渋谷店でのテレビ朝日社員転落事故とカラオケ店舗の営業の是非について

東京オリンピック閉幕日の夜のある出来事が翌日大きく話題になりました。

テレビ朝日さんのオリンピック関連スタッフが深夜に「打ち上げ」を行い、
途中で参加者の一人が階段から転落して大怪我を負ったというニュースです。

現場はカラオケパセラさん渋谷店ということでしたので、
その後パセラさんは公式サイト上で本件の見解を公表されました。

【お知らせとお詫び】

8月9日からの報道にもございました通り、弊社施設カラオケパセラ渋谷店において、外階段踊り場(1階と2階の中間の踊り場)から飛び降り、怪我をされた方がいらっしゃいました。昨日より、警察を中心に調査を行っておりますが、現時点では事件性は無いとのご報告を頂いております。多くのお客様や関係各所の皆さまには大変ご心配とご迷惑をおかけしております事、深くお詫び申し上げます。

尚、一部報道やSNS上にて鍵の施錠に関するご質問がございましたが、各階から外階段及び1階公道への避難路の安全確保に問題はございませんでした。なぜ、途中から飛び降りられたのかは、関係部署が現在調査中でございます。

また、営業協力金に関してのご質問も頂きましたが、制度に基づき適切(カラオケパセラ渋谷店は申請致しておりません)に対応致しておりますこと、ご報告させて頂きます。更に、特定業界関係者への優先対応等に関しましても、その様な事実は見受けられませんでしたが、誤解を受けるようなことが無きよう、より一層注意喚起をさせて頂きます。

最後に為りましたが、この度は多くのお客様のお気を煩わせ、また関係各所の皆さまにお手間をお掛け致しましたことを、重ねて深くお詫び申し上げます。

令和3年8月11日
パセラ営業統括部門長 池田 竜作

https://www.pasela.co.jp/images/20210811_notice.pdf

カラオケパセラさん(写真の店舗は当該店舗とは別店舗です)。

今回の事故において、特に注視すべき点は以下の2点です。

◆1. マスメディア関係者が深夜に大人数で飲食を伴う打ち上げを行っていた点
◆2. 緊急事態宣言下においてカラオケ店舗が深夜営業を行っていた点

◆1についてですが、マスメディアは視聴者・読者に対して各種番組や紙面を通じて、
感染拡大に繋がる行動を抑制する立場にて日頃から論を展開しています。

すなわち、「感染拡大に繋がる行動は控えてください」といった訴えかけです。

そのマスメディア自身が深夜に飲食を伴う打ち上げを行い、
(理由は明らかになっていませんが)
骨折する危険性のある高さから飛び降りるほど判断力を失うぐらい飲酒をされたというのは、
全くもってダブルスタンダードと言わざるを得ません。

唯野もカラオケ業界関係者の端くれとして日々強く感じていることですが、
コロナ禍においてカラオケ業界への風当たりは過剰なまでに大きいものとなっています。

その一翼を担っているのは間違いなくマスメディアによる誇張報道だと思っています。
カラオケを過度に危険視する報道こそがカラオケ業界を追い詰めてきたと思っています。

そのマスメディア関係者様が率先してカラオケ店で打ち上げをされたということは、
むしろ身をもってカラオケの安全性を示して下さろうとしてくれたのかとすら感じます。

テレビ朝日さんは多くの報道番組を通じてぜひとも、
カラオケ店での飲食や歌唱は安心安全な行為であり、
カラオケ店での大人数での深夜の打ち上げは不要不急の外出には当たらないと、
しっかりと視聴者に呼び掛けていただければと思います。

…もちろん上記はただの皮肉ですが、
少なくとも報じる側がこうしたダブルスタンダードを黙認しているようでは、
とても報道を通じて視聴者に呼び掛けや注意喚起を行うことは不可能と考えます。

まさに「どの口が言う」です。

 

さて、◆2のカラオケ店舗の深夜営業についてが今回の本題です。

東京都をはじめとする緊急事態宣言下の対象地域においては、
カラオケボックスなどのカラオケ店舗は行政から休業の要請を受けています。
実際、大半のカラオケ店が行政の要請の下、休業を余儀なくされています。

もっとも、同じく休業要請対象とされている居酒屋業界と同様に、
経営判断等の事由により、要請に従わず営業されているカラオケ店舗も一部ございます。

今回のカラオケパセラさんの渋谷店さんもまた、該当日は営業されていたとのことです。

以下、唯野見解です。

緊急事態宣言下と言えども、
カラオケ店の営業が感染要因になり得るというエビデンスも乏しく、
緊急事態宣言そのものも終わりが全く見えない現況である以上、
十全に感染対策を行っている自負のあるカラオケ店であれば、
もはや自己責任の下で営業を再開しても良い時期に来ていると思っています。

果てしなくダラダラ続くエンドレス緊急事態宣言にまともに付き合っていると、
このまま永久に営業できない羽目になってしまうと言っても過言ではありません。

そういう意味で、パセラさんが独自の経営判断で
十全な感染症対策の下で安心安全に営業をされていたのであれば、
唯野としては全く問題のないことと思っています。

なのでむしろ、上記で紹介したパセラさんの公式見解のタイトルが
「お知らせとお詫び」であったことに少し違和感を覚えました。

文面を読む限り、パセラさんには全く非はございません。
お怪我をされた方には恐縮ですが、
文面を読む限り、本件事故は単なるお客様の不注意であり、
パセラさんはむしろ騒動に巻き込まれた被害者のように思えます。

にも関わらず、タイトルに「お詫び」とあるのが気になるところです。

一部報道で、当該店は表向きは営業は20時までと公表していたにも関わらず、
今回深夜に営業していたのは一種の「闇営業」ではないかという見解も拝見しました。

現時点ではその真偽を確認することはできませんが、
少なくとも当記事執筆時のパセラさん渋谷店の公式サイトには、
営業時間は「全日12:00 ~ 翌5:00」とございます。
https://www.pasela.co.jp/shop/shibuya/

当日の実情を知ることは今となっては不可能ですが、パセラさん渋谷店のページ内には

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各店舗にて営業時間の短縮・変更がございます。急な変更によりお客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

https://www.pasela.co.jp/shoplist/news/shibuya/%e5%96%b6%e6%a5%ad%e6%99%82%e9%96%93%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/

という記載もありますので、営業時間が突発的に変更することも十分にあり得ると思います。

いずれにせよ、問題のない営業をされていたのであれば、
パセラさんは堂々とされていれば良いかと思います。
(公表できない「何か」がないことを信じてします)

 

不謹慎な言い方かもしれませんが、今回の事故はユーザー側も店舗側も
改めて「自粛」について考え直す良いきっかけにもなったような気もします。

すなわち、既にもう十分長きにわたっているコロナ禍においては、
もはや「お上」の指示に無条件に従って外出自粛したり営業自粛したりする時期は過ぎ、
自分の頭で考えたうえで各自で自身の行動を判断すべき時期に来ていると思っています。

唯野は人間の学習能力を信じています。
もうそろそろ、各店舗の判断で安心安全にカラオケ店の営業を再開し、
各ユーザーの判断で安心安全にカラオケ店を利用して良い時期と思います。

果てなき終わりなき緊急事態宣言に無条件に付き合うのはもう止めにしませんか?
(もちろん、提供者も利用者も双方の立場で十全に安全対策を取ることが大前提です)

 

<追伸>

行政は国民に行動の制限を強いながらオリンピックの開催を安心安全と言います。
大臣は国民に不要不急の外出自粛を呼び掛けながらIOC会長の外出を容認します。
マスメディアは国民に密を避けるように言いながら自身は密な打ち上げを行います。

コロナ禍はこの世の中のさまざまな矛盾を如実に炙り出しています。

オリンピック開催時に桑田佳祐さんの素敵なテーマソングを幾度も拝聴しました。
しかしながら今の日本の状況を如実に表しているのは、
同じサザンオールスターズのこの曲ではないでしょうか?

サザンオールスターズ「爆笑アイランド」(1998年)

日本を「プラスティック・アイランド」とする表現も秀逸ですし、
ラストフレーズ「無節操な人災」はまさにこのコロナ禍そのものです。

20年以上も前の楽曲ながら現代にも通じる鋭い風刺、
改めて桑田佳祐さんの作詞センスに恐れ入りました。
https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B12388

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