ご存知、カラオケ店舗数において業界ナンバーワンを誇るまねきねこさん。
まねきねこさんの大きな特徴のひとつは「持ち込みOK」。
最近は持ち込みOKのカラオケボックスも増えてまいりましたが、
その礎を築いたのはまねきねこさんかと思います。
さて、そのまねきねこさんで昨年よりサービスインした
独自カラオケ機種「E-bo(イーボ)」。
今回E-boに「本人音源」というカラオケ音源が加わったということで
早速試してみました。
「業界初!アーティスト本人と歌える新体験」とあります。
「本人音源」とはCDや音楽配信で使われているオリジナルの音源(原盤)のこと。
つまり、カラオケ機器メーカーが作成したカラオケ音源で歌うのではなく、
原曲アーティストの原盤そのものでカラオケを楽しめるということです。
特に「アーティストになり切って歌いたい!」というカラオケファンにとっては
最高のカラオケ環境とも言えるサービスかと思います。
唯野も早速「本人音源」のカラオケで歌ってみます。
ちなみにこちらがE-boの本体です。
本体自体はシンプルな外観で、ボタンなどの操作UIはございません。
選曲・音量調整などのカラオケ操作等は全てスマホアプリから行います。
(そのため、事前にまねきねこアプリのインストールが必要です)
こちらは本人音源の時のカラオケ画面。
歌唱部分の文字列が大きくなります。
こちらがスマホアプリによるE-boリモコンになりますが、
本人音源で歌う場合の注意点がひとつあります。
それはキー操作は不可という点。
つまり、キーは(音源が原盤ですので)原曲キーのみということになります。
おそらくこれは原盤の権利的な事由(同一性保持権?)による所かと推測しています。
ただ、ユーザビリティを考えるとやはりキーは変更できる方が、
歌える曲の幅が広がってカラオケをより楽しめるものと考えます。
(原曲のキーのままだと異性曲を歌うのはなかなか難しいですし…)
逆に「すごいっ」と思ったのは、
アーティスト本人の歌声のオン・オフを設定できる機能。
本人音源ということですので、
アーティスト本人の歌声(「本人ガイド」と表記しています)も入っているのですが、
「本人ガイド」をオフにするとアーティスト本人の歌声が消え、
伴奏のみの音源となります。
歌唱音源から歌声のみを消す仕組みを「ボーカルキャンセル」と呼びますが、
通常はなかなか完璧に消すことは難しく、
どことなく「ぼわ~ん」とした共鳴音が残ってしまうものです。
しかしながらE-boにおいてはアーティスト本人の歌声を違和感なくオフにすることができ、
純粋なカラオケ音源として歌唱することができるのです。
考えられる可能性としては、
アーティストの歌声のみの音源と伴奏のみの音源の2種類を用意していて、
ボタンOFF時にアーティストの歌声の音源をミュートしているのか、
もしくはAI技術の限りを尽くして「自然な」ボーカルキャンセルを実現しているか、
この2点だと思います。
前者だとすると導入の手間やデータ量などを鑑みても大掛かりで凄いですし、
後者だとするとテクノロジーそのものが凄いということになります。
いずれにせよ「本人ガイド」のオン・オフ機能は本当に凄いと思いました。
個人的には、「本人ガイド」をONにしてアーティスト本人の歌声と一緒に歌うのがすごく快感で
歌っていて大変充実いたしました。
ちなみに「本人ガイド」は音量のコントロールもできますので、
一緒に歌いたいときには音量を大きく、
自分がメインで歌いたいときには音量を小さくするなども可能です。
その他、E-boの本人音源については以下の公式サイトもご参照ください。
https://www.karaokemanekineko.jp/campaign/e-bo/
「しかしいま、原盤権者から正規の許諾を得た原盤を使った新しい時代が始まろうとしています。」
という言葉が大変力強く伝わってきます。
ある意味、E-boはカラオケ業界のパンドラの箱を開けてしまったかもしれません。
今後のカラオケ業界全体の動向が大変楽しみです。
<追伸>
気になる本人音源対応の楽曲数ですが、具体的な数字はわかりませんが、
かなりの数の楽曲が対応しているように見受けられました。
個人的には、特にエイベックスさんの楽曲は相当数対応しているように見受けられました。
唯野の大好きなm.c.A・Tさんもたくさんありましたし。
今この時代にカラオケボックスでm.c.A・Tさんの歌声を楽しめるとは思いませんでした。
あの頃何度も繰り返し聴いたハイトーンボイスを久々に堪能いたしました。
<追伸2>
「レコード会社等が持つ原盤をそのままカラオケで使えないか?」
ということについては、
実は10年ぐらい前から唯野は各方面に提案していました。
以下は2017年の唯野記事です。
https://enjoysing.com/karaoke4940
ちなみに原盤カラオケは、カラオケの鉄人さんでも一部楽曲で対応していましたが、
今回E-boにてこれまでにない非常に大きなスケールで実現されたこと、
個人的にも非常に嬉しく思います。
そして今後のE-boの展開、カラオケ機器メーカーのリアクションが楽しみです。