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日本カラオケ史(全3回)第2回~通信カラオケの登場と1990年代カラオケブームについて

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カラオケボックスの登場により利用者層が一気に広まったカラオケですが、
同時に新しい利用者層に合わせたニーズを求められるようになります。

すなわちそれは、若い世代向けの新曲・流行曲のさらなる充実です。

それまではスナックのお父さん方に人気のある
演歌・歌謡曲やデュエット曲が揃っていれば一定の需要を満たしていましたが、
その反面、若い世代の支持するような
ロック・ポップス等の分野の楽曲はやや手薄でした。

そこで新しい需要に応えるべく、
音楽番組で人気の流行曲やテレビドラマの主題歌などの積極的なカラオケ化が進み、
当時主流だったレーザーカラオケはどんどん収録曲数を増やしていきました。

仕組み上、楽曲の数が増えるにつれてディスクの枚数も増えていきます。
当時のレーザーカラオケには、
指定した曲番号に応じたディスクを自動選択して再生する
「オートチェンジャー機能」が備わっていましたが、
それでもディスクの対応枚数には物理的な限界がありました。

また、新しいディスクがリリースされても
全国のカラオケ店舗へ配送されるまでに時間が掛かるため、
最新ヒット曲をユーザーが歌えるようになるまでにはさらに時間を要していました。

1990年代に入ると、
アニメ「ちびまる子ちゃん」の主題歌「おどるポンポコリン」(B.B.クィーンズ)のヒット、
さらに「愛は勝つ」(KAN)や「ラブ・ストーリーは突然に」(小田和正)が
オリコンシングルチャートで約15年ぶりに200万枚を超すセールスを記録するなど、
流行曲が次々と誕生します。

こうした状況下において、
多数の流行曲のいち早く歌えることがカラオケにますます求められるようになりますが、
現行のレーザーカラオケ形式でこれらの要望に対応するには限界が近づいていました。

まさにそんな時に、
1992年にタイトーとエクシングが相次いで新しいカラオケシステムを発表します。
それが今なお続く「通信カラオケ」です。

(エクシングさんの初代通信カラオケ「JS-1」)

カラオケ音源をデジタルデータのまま扱うことでディスクの枚数を意識する必要もなくなり、
通信回線を利用することで全国のカラオケ店舗への速やかな楽曲配信が可能になりました。

この通信カラオケの登場によりレーザーカラオケの抱えていた問題点が一気に解決され、
カラオケで歌うことのできる楽曲が飛躍的に増えていきます。

その先駆けとなったタイトーのX2000シリーズとエクシングのJOYSOUNDシリーズは、
「新曲がすぐに歌えるカラオケ」「アルバム曲もたくさん入っているカラオケ」として
若年層を中心に広く支持を集めるようになります。

それ以後、多くの企業が通信カラオケ業界に参入するようになり、
数年のうちに10社以上が通信カラオケを発売するなど、
カラオケは1990年代を代表する一大産業へと発展していったのです。

通信カラオケの登場で幅広い楽曲を多数歌えるようになったことで、
カラオケは人々にとってますます身近な存在となりました。

またこの時期は、小室哲哉氏プロデュースの楽曲に代表されるような、
高音に特徴のある歌い心地の良いヒット曲が次々と生まれます。
これらのヒット曲はカラオケでも支持され、
人々にカラオケで歌われることで楽曲もさらに支持されるといった好循環が生じました。

1990年代半ばから後半には毎年10曲以上ものミリオンセラー楽曲が生まれ、
音楽業界の好景気との相乗効果でカラオケ人気も高まり、
飲み会の二次会では「とりあえずカラオケ」と言われるぐらい、
カラオケは仲間同士でワイワイ楽しめる国民的娯楽として定着していきました。

(本記事は雑誌「東京人」掲載用に2019年10月に執筆したものです)

— 第3回へ続く —

 

<追伸>

日本でインターネットが普及し始めたきっかけはWindows95の発売と言われています。
その当時のデジタル通信と言えば、主に固定電話とFAXぐらいでした。
携帯電話もビジネス用途以外での普及はまだ見られなかった時代です。

そんな中、カラオケ業界は1992年には、
デジタル通信による情報配信のインフラを確立していたわけです。

そういう意味でも、通信カラオケという仕組みの登場は、
カラオケシステムがいかに時代の先端であったかを示すひとつの実例だと思っています。

<追伸2>

通信カラオケの登場については以下の記事でも触れていますので、
よろしければ合わせてご覧くださいませ。

カラオケの「わくわくストーリー」~通信カラオケの誕生に纏わる記事を紹介します。

唯野と通信カラオケとの出会いも紹介しております。

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