若手イケメン演歌歌手は女子高生をターゲットにすべきです。

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先日の「世界の山ちゃんカラオケ大会」の会場で購入した「ミュージック☆スター」誌。
演歌・歌謡曲のカラオケファンを読者層に持つ歴史あるカラオケ雑誌です。

表紙は、昨今の演歌界で人気・実力ともに抜きん出ている、山内惠介さん、三山ひろしさん。
山内さんの「冬枯れのヴィオラ」や三山さんの「人恋酒場」は
多くのカラオケ大会でも耳にすることの多い、演歌ファンの定番曲にもなっています。
最近は、三山さんは「けん玉名人歌手」という芸風も確立されていますね。

さて、実は昨年度、
「ミュージック☆スター」誌と同等の歴史を持つ2誌の演歌・歌謡曲専門雑誌が休刊いたしました。
「歌謡アリーナ」誌と「カラオケONGAKU」誌です。
残る代表的なカラオケ誌は、「歌の手帖」誌と「カラオケファン」誌、そして「ミュージック☆スター」誌。

休刊した2誌の休刊前の部数を正確に存じているわけではありませんが、
相次いでの休刊を見る限りは、演歌・歌謡曲専門誌は、かなり苦しい状況にあると推測できます。

ただ、あえて唯野が所見を申し上げますと、
このままだと、10年後にはカラオケ雑誌全誌が全滅する可能性が高いです。

似たようなお話を一つ。

唯野はよく、地元のカラオケ喫茶等が主催するカラオケ大会に顔を出します。
その大会はなかなかの盛況で、毎回200人以上もの出場者が自慢の喉を競います。

とは言え、カラオケ喫茶主催の大会ということもあり、やはり出場者の年齢層は高めです。
年齢別に、「シルバー部門(65歳以上)」「ゴールド部門(75歳以上)」「一般部門」等と
部門を分けられているのですが、
出場者200人中、おおよそ約半数近くがシルバー部門以上の出場者です。
また、一般部門でもざっと見た感じ、60歳前後の出場者が大半ですし、
60歳以上の方でも、歌唱力に自信のある方はたいてい一般部門で出場されています。
こうした中では、さしづめ「50代は若者、40代は鼻垂れ小僧」といったところでしょうか。
(30代の唯野は完全におこちゃまですね・・・)。

ただ、ここで唯野は思うのです。
10年後、この大会はどうなっているのだろう、と。

それは、運営側スタッフについても同じ。
高年齢化が進んでいて、「◯◯会長は先日脳梗塞に…」「◯◯理事は半身不随に…」
等の話を、年々耳にする機会が増えてきました。

やはり唯野は思うのです。
10年後、この組織はどうなっているのだろう、と。

つまり、10年後の演歌・歌謡曲の需要は今以上に低下していると推測できるのです。
需要が減少すれば、当然ながら専門誌も廃刊を余儀なくされますよね。。

演歌・歌謡曲界は、若い世代に文化を引き継いでいかなければ、先細りになることは確実です。
つまり、若い世代が好んで「演歌・歌謡曲」を聴くような戦略を採るべきなのです。

とは言え、若い世代の方々であっても、カラオケ大会で活躍されるような実力者からは、
しっかりと演歌は支持されています。
実際、カラオケ大会で好んで演歌を歌う若い実力派出場者を、唯野も数多く見てきています。
たとえば、活躍著しい、はやぶさの小林輝(ヒカル)さんや沢田正人さんは、
アマチュア時代からカラオケ大会の常連優勝者でした。
(唯野も何度か、お二方と同じカラオケ大会に出場して競ったことがあります)。

さらに、冒頭で紹介した、山内惠介さんや三山ひろしさん、
他にも純烈や松原健之さんやパク・ジュニョンさんなど、若手歌手の人材には事欠きません。
「歌い手」については、十分に世代間継承ができているのです。

問題は「聴き手」です。
演歌を好んで「聴く」若い人は、実際のところ非常に少なくなっていると思われます。
つまり、若い世代が演歌を聴く・親しむうえでの何らかのきっかけを、
演歌界は戦略的に提示していかなければならないのです。

そういう意味で非常に惜しいのが、「演歌男子」戦略。
上品で笑顔が甘く、どこか守ってあげたい可愛い男性、
あるいは優しい笑顔でぎゅっと守ってもらえそうな夢の王子様…、
という見せ方が、結果としてターゲットを中高年女性に向けているように映ります。
以前、氷川きよしさんのコンサートを観覧したことがありますが、
会場の大半を占める中高年女性ファンのものすごい熱気に包まれていたのが印象的でした。

しかし、若い世代に演歌を繋げていくのであれば、
聴き手のターゲットも若い人に向けることが必要です。

すなわち、「演歌男子」が女子高生から追っかけられるくらいにならないといけないのです。
イケメン男性演歌歌手が、ジャニーズの嵐やキスマイと同列に並ばなければいけないのです。
「おばさまたちのアイドル」ではなく「若い女性たちのアイドル」でなければならないのです。
それが、文化の世代間継承ということかと思います。

もちろん、若い女性に限ったことではなく、「若い男性の憧れの歌手」でもあるべきです。
たとえば若手演歌歌手が、若い世代に支持されるバラエティ番組に積極的に出演するなど、
若い世代と触れ合う機会を作ることで、まず「人」として親しまれ、
それをきっかけに「歌」が聴かれ、そこではじめて「演歌」の魅力を知ることへと繋がります。
そうすることで、自然と若い人たちの日常に演歌が溶けこんでいくはずです。

つい最近まで、「将棋」もまた斜陽文化と言われていました。
しかしながら最近では「ニコニコ動画」等にて対局を生中継したり、
コンピュータ将棋とプロ棋士との対局を企画するなど、若い世代を取り込む施策を採っています。
対局中の「食事」「おやつ」なども余さず紹介しており、そのことでも棋士への親しみが生まれます。

先日は、「リアル車将棋」と称して、トヨタさんの協力の下、
西武ドームにて、車上に駒名の板を貼り付けたトヨタ自動車を使った対局生中継が行われました。
こういう一風変わったサービスこそが、若い世代の話題を生むことに繋がります。
対戦棋士も、羽生善治名人と豊島将之7段という将棋会の最高峰。
将棋界、日本将棋連盟のファンサービス意識を感じる豪華なイベントでした。

演歌界も同様に、新しいメディアを積極的に活用することで、
新しいファンを増やしていくことによって、10年後も幅広く支持されることに繋がるかと思います。

10年後に、既存の演歌・歌謡曲雑誌が今以上に部数を増やしていることを期待します。

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