カラオケ評論家活動

オンラインカラオケ大会と会場でのカラオケ大会との特性の違い。

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今回開催いたしました新東京カラオケグランプリ2020オンラインでは、
唯野は運営者でありつつ審査委員を務めさせていただきました。

両方の目線でご出場者の歌唱動画を拝見しておりましたが、
数々の歌唱動画を拝見していくうちに、
会場でのカラオケ大会との特性の違いが浮かび上がってきました。

簡単に言えば以下の通りです。

◆会場でのカラオケ大会:本番では(自分自身の)歌唱のみに集中・専念できる
◆オンラインカラオケ大会:自分自身で構成をトータルプロデュースできる

その意味についてお話しします。

会場でのカラオケ大会においては、
全てのご出場者は、定められた同一の環境下での歌唱することとなります。
「環境」とは、音響・照明、さらに言えば会場・ステージをも含みます。

出場者によって音響や照明が変わることは原則ありませんし、
当然ながら会場は同一ですし、ステージ袖からの出捌けのルートも全出場者が共通です。

こうした環境が全て共通であるからこそ、
ご出場者は(出番の際に)ご自身の歌唱のみに集中・専念することができるわけです。

その点、事前撮影の動画を基に審査を行う形式のオンライン大会の場合、
こうした環境を全てご出場者自身で選択して作り上げることができるのです。

音響は室内のカラオケ機材である程度の調整が可能ですし、
照明についても室内の設定で幾分は対応することができます。

仮に音響・照明設備に乏しいカラオケルームに入ってしまったとしましょう。
その場合は、ご自身の判断でさらに良いお部屋・お店に変えることもできるわけです。
(うたスキ動画を設置しているカラオケ店は全国に多数ございますので)。

これはつまり、ご自身で「会場をも変えることができる」ことを意味しています。

さらに言えば、今回のご出場者の中には、
うたスキ動画のカメラの撮影範囲をも考慮して、
効果的にご自身をフレームイン・フレームアウトされている方々もいらっしゃいました。
(イントロの途中からフレームに入ってきたりなど)

言ってしまえばこれは、ご自身で「出捌け」をも構成されているということです。

通常のカラオケ大会における出捌け(ステージイン)は、
指定された袖から出て、歌唱後に指定された袖へ戻るといったものです。
こうした出捌けの流れは全てのご出場者にとって共通のものです。

しかしながら、事前撮影形式のカラオケ大会においては、
出捌けをもご自身で構成・コントロールすることができる、
これもまた大きな特徴かと思いました。

このように、大会環境や見せ方を出場者ご自身で作ることができるという意味において、
唯野は「オンライン大会は構成をセルフプロデュースできる大会」と感じたわけです。
(唯野も今回開催してみて初めてその特性に気づきました)。

今回、こうした構成の有無による歌唱審査への影響はございません。
(ベストパフォーマンス賞、カラオケボイスドリンク賞は魅せ方も審査対象のため、
これらの賞については幾分加味しております)。

ただ、歌唱環境をご自身で作り上げられていると感じられた方々のほうが
傾向として、歌唱そのものも幾分余裕をもって歌われているという感じはいたしました。

ひょっとすると、歌唱のみに集中専念されるよりも、
全体的な見栄え・構成にも意識を向けたうえで歌われるほうが、
緊張が程良く分散されて、その分、力の抜けた歌唱となるのかもしれません。
(上記は単なる唯野の想像です)。

もう一つ、通常のカラオケ大会との大きな違いはと言えば、
何度でも歌い直しができるという点です。
つまり、ご自身の納得のいくまでベストテイクを撮影することができるのです。

通常のカラオケ大会ではご自身の本番歌唱はただの一度きりです。
こうしたFirst take方式が会場でのカラオケ大会の魅力の一つでもありますが、
たとえば本番で緊張してしまって本来の力を発揮できないケースもまたございます。

その点、事前撮影の動画であれば何度でも歌い直し(撮り直し)が可能ですので、
ご自身の納得のいくまで撮影いただいた歌唱動画にて応募することができます。
この意味においても、オンライン大会は出場者の自由度が高い大会と感じました。

といったところが今回唯野がオンラインカラオケ大会を運営してみて気づいた点です。

こうして利点をピックアップして考えてみると、
オンライン大会には会場でのカラオケ大会とはまた違った特性があることがわかります。

前回の記事でも申し上げましたが、唯野は当初、
新東京カラオケグランプリ2020オンラインの開催を、
会場でのカラオケ大会を今年開催できなかったことによる代替と考えていました。

しかしながら今回改めて自分で運営してみて、
上記で紹介したようなオンラインカラオケ大会ならではの優位点があることに気づきました。

であれば今後は、会場でのカラオケ大会もオンラインによるカラオケ大会も、
それぞれ両立・共存していければ良いのではないでしょうか?

もちろん、会場でのカラオケ大会のメリット・優位点については、
長く「カラオケ大会プロデューサー」を務めてまいりました唯野は十分に存じています。

リアルな場での歌唱のライブ感、一発勝負ならではのドラマ性、
観覧者による拍手・歓声、観覧者・出場者を前にしての審査発表・トロフィーの授与、
休憩中・閉演後に自然と生じる出場者同士のコミュニケーション、笑い・感動の共有、
広いステージ・広いホールでの歌唱、会場の持つ独特の非日常感(わくわく感)…。

そして何より、会場の一体感。

こうした「生」ならではの臨場感をみなさまはこれからも、
歌を愛する大勢の仲間と共有されたいのではないでしょうか?

2020年はコロナ禍により、会場でのカラオケ大会の多くが中止を余儀なくされました。
しかしながら、大会を待ち望んでいる多くのカラオケユーザーがいらっしゃることは、
唯野自身もまた大変に良く存じています。

今回の新東京カラオケグランプリ2020オンラインにて、
当初の募集定員30組が受付開始わずか20分で満員御礼になったことからも、
多くの方々がカラオケ大会を望まれているという想いを肌でしっかり感じました。

コロナ禍の収束後、
会場でのカラオケ大会が以前までと同様に(安全に)再開できることを願っています。

同時に、コロナ禍にて誕生した新しい文化「オンラインカラオケ大会」についても、
その利点を生かしつつ、アフターコロナ以降も定着していけば良いと思っています。

 

<追伸>

新東京カラオケグランプリに限らず、今後他のオンライン大会へ出場される方へ、
唯野からひとつ簡単なアドバイスがございます。

動画撮影は、できるだけ広いカラオケルームでされた方が良いかと思います。
パーティールームぐらいの広さの部屋で撮影されるぐらいでちょうど良いと思います。

通常の大会では、パーティールーム以上の大きなステージ・ホールで歌唱されるはずです。
できるだけ環境をその感覚に近づけつつ、スケール大きく歌ってみてください。

すると、たとえ画面越しから見る歌唱動画であっても、
きっとみなさまの歌唱は、よりスケール大きく魅力的なものに映ることと思います。

カラオケ評論家 当サイト管理者・唯野奈津実(ゆいのなつみ)は日本で唯一のカラオケ評論家・カラオケ業界のスポークスマンとして、テレビ番組など各種メディアにて評論活動・執筆活動を行っています。

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