カラオケ評論家という職業柄、日々多くのカラオケボックスに足を運んでいます。
名刺には「年間200店舗のカラオケボックスに通う男」とありますが、
おそらく200店以上は通っているかと思います。
さて、多くの大手カラオケボックスでは会員制を採っています。
会員でなくても利用できるカラオケボックスもありますが、
そういうお店でも会員カードを作っていることが多いです。
そして、多くの場合、会員カードには利用金額・回数に応じたポイントが付与されています。
磁気カードであればカード内にポイント情報が入っており、
紙カードへのスタンプ制であれば、スタンプの数がすなわちポイントです。
ポイントカードという仕組みは、家電量販店が最初に考案したと言われています。
ビックカメラさん、ヨドバシカメラさん、ヤマダ電機さんなど、
大手家電量販店にはたいていポイントカードがありますよね。
そして家電量販店では会計時にたいてい
「ポイントはお使いになりますか?」
「ポイントは貯められますか?」
といった確認を店員さんからされるものです。
ポイントは、たとえば1ポイント1円などというように精算に利用できますので、
ある意味、現金と同等の価値があるものです。
ですので、使う・使わないを確認してもらえるのは非常に助かります。
ところが、唯野の経験上、こうした確認をされるのは家電量販店のみ。
今ではコンビニやドラッグストアをはじめ、多くの小売店舗でもポイントカードを作っています。
しかしながら家電量販店以外では、
ポイントカードの提示を要求されることはあってもポイントの使用を確認されることは、
ほとんどないように思えます。
それは、カラオケボックス店舗においても同じ。
「ポイントをお使いになりますか?」と尋ねられた経験はほとんどありません。
そんな中、つい最近伺ったこちらのお店。
こちらの店舗で歌わせていただいた帰りに、フロントの店員さんから
「ポイントが溜まっているようですがお使いになられますか?」
と尋ねられたのです。
少なくとも、ビッグエコーさんでは初めての経験。
さらに、「ポイントは100ポイントで500円引きとなります」
という説明もいただきました。
知らなかった…。
おかげさまで溜まりっぱなしだったポイントを少し消費することができました。
4000ポイント溜まっていたわけですので、金券20000円分と等価ということですね。
実は唯野は10年ほど前にこの本を読んでからポイントは即座に使うようになりました。
「おりこうさん おばかさんのお金の使い方」
http://www.amazon.co.jp/dp/4344010833
ポイントはお客様に対するある種のサービスだという人もいます。
ただ、この本によれば、ポイントはサービスでもなんでもなく、
あらかじめポイント分を上乗せした金額でお客さんにモノを売っているだけだ、
とのことです。
(10年前に読んだ本なので、記憶があやふやな可能性もあります…)。
そう言えば唯野の近所のコンビニでは、温かい「お~いお茶」が確か
セブンイレブンでは140円、ファミリーマートでは141円だった気がします。
ファミリーマートと言えばレジで必ず某カードの提示を要求してくることで有名ですが、
上記の本にあった「ポイント分を上乗せ」のお話も、この値段を見るとなるほどと思います。
つまり、本来140円の商品を141円で売って1円分のポイントをカードに付与している、と。
…そう考えれば、ポイントは貯めても得をするものでもなんでもなく、
使ってプラスマイナスゼロ、使わなければ損をする(多くお金を払いすぎている)
ということになりますね。
(なので、ポイントを貯めて喜ぶのはこの本で言うところの「おばかさん」だそうです)。
もちろん、上記の本の内容が必ずしも全ての小売店に当てはまるとは限りません。
中には純粋に、お客様への還元サービスとしてポイントを発行しているお店もあるでしょう。
とは言え、であればこそ、ポイントを「使う」ことをフロントから促すこともまた
お客様への接客サービスなのではないかとも思います。
そういう意味でも、今回のビッグエコーさん品川港南口駅前店は「いいな」と思いました。
他、実はこちらのお店でも最近、ポイントについての気遣いのある接客サービスが。
神奈川県内で高シェアを誇るカラオケバンガローハウスさん。
こちらは川崎にある銀柳街店ですが、残念ながら2016年2月29日で閉店となりました。
閉店数日前にこちらのお店に伺ったのですが、
退室の際にフロントの店員さんから
「当店は今月いっぱいで閉店するのですが、
よろしければ溜まっているポイントを使わせていただきましょうか?」
と言っていただけたのです。
ポイントを貯めたままになってしまう常連のお客様へのお気遣い、大変素晴らしいと思いました。
こちらの店員さんも今後、別のバンガローハウスさんの店舗に回られることと思いますが、
きっと次の店舗でも同様に、お客様目線の接客をされることかと思います。
ポイントカードのポイント、貯まり過ぎても何の価値もありません。
お客様にポイントの利用を促すカラオケ店は、
きっと他の面でもお客様目線に立ったサービスをされるお店なのだろうなと感じます。