カラオケ評論家活動

カラオケ音源の製作現場を取材してきました(その2)。

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カラオケ音源の制作現場についてエクシングさんに取材に伺った記事パート2です。
前回は、音源の打ち込みについて紹介いたしました。
https://enjoysing.com/2015_01_12_01_51_21

今回は打ち込み後の音源に対してガイドボーカルを吹き込む部分を紹介します。
(本記事の写真撮影等は、エクシングさんに許可をいただいております)。

ガイドボーカルの収録場所はこちら。

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まるで音楽スタジオのレコーディング施設のよう。
エクシングさんの本社にはこうした本格的なレコーディングスタジオが備わっています。

写真ではやや見づらいですが、ディレクター席(?)のガラスの向こう側で
レコーディングを行います。
今回の取材では、ガイドボーカルのレコーディングを見させていただきましたが、
それ以外にも、JOYSOUNDの「生演奏」バージョンの収録もここで行われるとのことです。
スタジオには、「生演奏」収録用のドラムやピアノが厳かに鎮座していました。

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ディレクター役のエクシングさんの編成制作部、阿部峰久さん。
打ち込み音源を確認しながら、ガイドボーカルの録音箇所をチェックしています。

ちなみにガイドボーカルは全ての曲に対して作成するわけではなく、
ある程度歌われると想定される人気曲に限ります。

とは言え、毎月相当数の楽曲が配信されるため、
ガイドボーカルの収録もまた、月にかなりの本数を行うことになります。

また、男性曲、女性曲、演歌、ポップス、アニソンなど、ジャンルに合わせて、
それぞれに合った声質のボーカル担当者に依頼することになります。
依頼先は、プロとして音楽活動をしているボーカリストさん。
ちなみにJOYSOUNDでは現在、素人さんやアマチュアのカラオケユーザーによる
ガイドボーカルの収録は募集していないとのことでした。

ガイドボーカルの職責ですが、あくまでアマチュアのカラオケファンのための「サポート」。
その曲をあまり覚えていないカラオケユーザーが「参考」に使用するものですので、
ガイドボーカルがあまりアーティストの「モノマネ」のような歌い方になってしまうと、
一般ユーザーはかえって歌いにくく(参考にしにくく)なってしまいます。
なので、声質は似ていても、モノマネにはならないようにすることが大事、とおっしゃっていました。

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今回取材をさせていただいたボーカリスト、清本りつ子さん。
名古屋地区を中心にライブ活動を行ったり、音楽専門学校の講師も務めています。
ガイドボーカル歴は7年。それ以前からもコーラスの担当をされていたそうです。

清本さんは主に女性アイドル歌手やアニソンを担当。
AKB48の「ヘビーローテーション」他、
清本さん担当曲は数多くJOYSOUNDで聴くことができます。

ちなみに今回、取材させていただいた課題曲はこちら。

でんぱ組.inc「でんぱーりーナイト」
https://www.youtube.com/watch?v=uX1yKYI9NXI

…正直、唯野にはこの曲をどう歌って良いのかわかりません(笑)。
しかしながら、さすがはガイドボーカル、高音も早口もなんのそので歌い上げます。
収録はおおよそ一曲につき1~2時間ほどとのことでした。

もっとも、今回のでんぱ組.incのように、ボーカルが複数人存在する楽曲は、
当然ながら歌っている人の声質がそれぞれ異なります。
そのため、ガイドボーカルを音入する際は、単に歌を正しく覚えるだけでなく、
各パートの歌い手さんを聞き分けて、
できるだけ同じ声質で歌うように瞬時に声色を変える必要があるそうです。
また、曲によってはバックコーラスが入っているものもありますので、
その際は同様に、コーラス部分も歌って収録します。

一番意識していることは、とにかく原盤に忠実に歌う、ということ。
ガイドボーカルを参考に曲を覚えようとするカラオケユーザーのことを考えて、
極力、譜割りや発音など、完全にコピーして再現することを心がけているとのことです。
そのあたりの「コピー精神」は、音源打ち込みの担当・鈴木さんと同じですね。
楽曲もコーラスも、原盤第一主義でカラオケ化されるからこそ、
多くのカラオケユーザーが違和感なくカラオケを楽しめるというわけなのです。

ちなみにガイドボーカルが比較的大変なジャンルはボーカロイド曲とのこと。
収録中に、「そもそもボカロ曲にガイドボーカル、必要なのかな…?」
などと疑問に思ったりもしたそうです(笑)。
もちろん、ボカロ曲を人がどのように歌うか、という意味のお手本としては、
ガイドボーカルを入れる価値は十分にあると唯野は考えます。

さて、このようにして録音したガイドボーカルについては、打ち込み音源との重ねあわせを行います。
この時に、ボーカルの音量調整や必要に応じたエフェクトを入れ、
自然な重ねあわせ音源とすることで、ようやくひとつのカラオケ音源が完成するのです。

カラオケ音源の制作。
打ち込みもレコーディングも、最新機器を使用しているとは言え、
その実は、意外とアナログな手法で作られていることがお分かりいただけたかと思います。

「耳」で、伴奏音やボーカルを正確に聞き分け、忠実に再現する。
こうした職人精神こそが、最先端のカラオケ技術を支える根幹と言えるものなのです。

元来、日本人は精緻な手工業に定評のある民族。
焼き物も、織り物も、そしてカラオケも、
精緻な職人芸によって成り立つ、日本の誇るべき文化であると唯野は考えています。

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