カラオケ評論家活動

一人カラオケ層に目を瞑るカラオケ店は今後衰退します。

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唯野が定期購読しているカラオケ業界の専門誌
「季刊カラオケエンターテイメント」(綜合ユニコム)。

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最新のカラオケ業界の動向を知ることができる数少ない業界誌です。
(定価:2700円)。

ただ、情報入手には非常に役立つのですが、現状分析については
正直、カラオケ評論家・唯野から見てやや深堀りが足りない感を受けることがあります。。

03
特集「生き残りを賭けたオンリーワン戦略」。

特集の狙い自体は非常に良いと思います。
唯野も昨今のカラオケチェーン店には他店と比べてあまり個性がない気がしています。

実際、唯野のもとに日々マスメディアから
「変わり種カラオケ店を紹介してください」という依頼が入ってくるのですが、
コラボルームやコンセプトルームを紹介しても食い付きが良くないのです。

「テレビ的に視聴者が『あっ』というようなカラオケ店、他にないですか?」
などと、よく言われます。

その結果、結局、ワンカラさんやマンシーズトウキョウさんというオチになってしまうことが多いです。
(この2店は唯野、2012年から紹介しています…)。

そういう意味で、カラオケボックスにはぜひともオンリーワン店舗を目指して欲しいものです。
マスメディアに取り上げられれば、広告出稿と同等の価値があるはずです(しかも無料で)。

さて、話を戻しますが、
オンリーワン戦略、個性重視を目指すべきという意見は大賛成なのですが、
そのための施策として本誌で提示しているのが、
「ファミリー層、子連れ主婦層の獲得」「地域密着」「飲食充実」といったもの。

…正直、当たり前です、これ。
というより、既に多くのカラオケボックスで取り組んでいます。

ファミリー・主婦層向けは、コート・ダジュールさんをはじめとするランチタイム、女子会プラン、
地域密着はシダックスさんのカルチャー事業であったり、
わくわくカラオケグループでは近所の商店街・飲食店と日々挨拶を交わし、
双方の店舗にチラシを置くなどして交流を深めるなど、地域と一体化した店舗運営を展開しています。

飲食充実は前々から言われていること。
ルーム料金の安値化にともなって、飲食オーダーによる回収を重視する必要があるというのは、
ある意味当然の視点です。

しかしながら、ずいぶん昔から言われ続けているにも関わらず、
未だに「飲食充実」というキーワードが上がってくる事自体、
「上手く行っていない」ということが言えるかと思います。

では、いったいどうすれば良いのでしょう?
なぜ、飲食オーダーによる回収策は、なかなか効果が上がらないのでしょう?

それは、グループ客の獲得ばかりに目が向いているから。
さらに言えば、「カラオケ=みんなでワイワイ」という幻想に未だに囚われているから。
結局、これまでの飲食充実対策は、
アルコールメニューの充実であったりパーティーメニューの充実であったりと、
大人数グループをターゲットとしたものがほとんどだったのです。

飲み会の後の二次会でカラオケ、という使われ方は、
以前に比べて減少してきていると聞きます。
つまり、大勢で来店してお酒やパーティーメニューを注文して大騒ぎ、
というお客様は、今後も年々減少していくと考えられるのです。

だからこそ、ターゲットを「一人カラオケ」「少人数カラオケ」に向けるべき。
つまり、少人数カラオケのお客様がオーダーしやすい飲食を提供すれば良いのです。

05
こちらは全国カラオケ事業者協会が毎年発行している「カラオケ白書」。
(定価:12000円)

こちらの資料に、平日の昼間の一人カラオケに関する割合記事が掲載されています。

06
(「カラオケ白書2014」42ページより引用)
上記によると、
一人カラオケのお客様の割合が2割以上と回答したカラオケ事業者は59.8%。
(ただし、調査母数が551で、そのうち無回答が9.6%で、
全国のカラオケボックスの数は2014年3月JASRAC調べで9363店ということを考えれば、
調査母数がやや足りないかなという感はしています)。
(実際、平日の昼間にカラオケ館さんに行って、受付の記入表を見てみると、
人数の欄に「1」と書かれたお客様の記入を多く見ることができます)。

つまり、一人カラオケ層は、今や無視できない割合のお客様ということなのです。
(唯野のフィールドワークによる体感値では、一人カラオケ割合は3割以上と見ています)

しかしながら、カラオケ業界では一人カラオケ層の増加を「黙殺」する傾向にあります。
それは「一人のお客様はお金を払わない」「一人客ばかりだと儲からない」と考えているから。

ゆえに、「いかにして飲み会の二次会客を増やすか」という方向に対策を求めがち。

そうではなく、いかに一人カラオケのお客様がお金を置いていくか、
その仕組みを考えることが、客単価の増加対策に繋がるのではと考えます。

一人カラオケはもはやカラオケの楽しみ方の一形態。
今後も益々割合が増加してくると思われます。

カラオケ業界が、一人カラオケのお客様の客単価を上げるためにどうするか。

単に「一人カラオケ料金」と称して、1.5人分のルーム料金設定にするとかではなく、
一人カラオケのお客様が喜んでオーダーするフードメニューを検討するなど、
こうした施策を打ち出すカラオケボックスこそが、
「オンリーワン戦略」を採るカラオケ店と言えるかと思います。

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