カラオケ大会で世代を超えたコミュニケーションを。

日本で初めてコンテナ型のカラオケボックスが登場したのは1985年と言われています。

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日本で最初のカラオケボックスとされる岡山市の「イエローボックスカラオケひろば」。
(2015年07月:唯野撮影)。

カラオケと言えばそれまで、スナックでお父さんたちがお酒を飲みながら歌う余興でした。
カラオケボックスの誕生によってカラオケは酒場から外の世界に飛び出し、
老若男女が楽しめる娯楽となったのです。

今の世代の子供たちは、生まれた時からカラオケを身近に感じている世代です。
ということもあり、昔に比べて歌の上手い子供たちが格段に増えたと言われます。
これぞまさしく、カラオケ文化の効能ですね。

唯野が開催するカラオケ大会でも、小学生・中学生といったお子様がエントリーされ、
その方々が優秀な成績で入賞することもしばしばです。

とは言え、子供の出場者と大人の出場者を同等の基軸で審査することもまた
なかなか難しいものではあります。

「子供だから、歌っている姿がかわいいから良い点数にしよう」
「子供だから、ちょっと惜しいところあるけど、将来性があるからおまけしよう」
「子供だから、会場が沸いたから、良い評価にしてあげよう」

といった目線に、つい審査員がなってしまわないとは限らないためです。

審査員は当然、音楽のプロではありますが、同時に一人の人間でもあります。
こうした「子供ってかわいいし…」的な感覚が瞬間的に頭をよぎることも、
場合によってはあるのかもしれません。

もちろんこうした感情は、審査の場ではいったんシャットアウトすべきです。
なので「子供だから…」という理由で評価を甘くするカラオケ大会には唯野は反対です。
審査は、出場者が大人か子供かに関わらず、冷静かつ公平なものであるべきです。

ただ、思うのですが、本当に上手な子供の方もまたいらっしゃるものです。
そんな、本当に大人顔負けの素晴らしい歌唱を披露した子供に対し、
後から「子供だから審査が甘かった」と言ってくるのもどうかとは思います。。

唯野の昔話。
その昔、ご年輩の方々が9割以上を占める大会に唯野も度々出場していました。

モノクローム・ヴィーナス.mpg_snapshot_01.41_[2016.02.23_23.10.55]
15年前の唯野(当時25歳)。

結果はさまざまでしたが、幸運にも良い賞を戴くことも多かったです。
ただその際に、

「いいわね、若い人は贔屓されて…」

と言われることが稀にありました。
これは唯野だけでなく、唯野と一緒に出場していた同年代のカラオケ仲間も、
同様の経験を何度かしていると当時聞きました。

自分なりに一生懸命に歌ってきたつもりですが、そのような感想を持たれてしまい、
何だかやりきれない虚しさを感じたことを今でも覚えています。。

確かに、ご年配の方々が数多く出場されるカラオケ大会の中で、
唯野のような比較的若い世代(それでも当時30歳前後でしたが)は、
ぱっと目を引きますし、審査員にとっても新鮮に映ったことかと思います。
あるいはですが、そうした「若さ」が実力以上の審査結果として紐づいた大会も、
中にはあったのかもしれません。

とは言え、そうしたボーナス点を狙ってカラオケ大会に出場していたわけではありません。
純粋に、歌が好きで、歌を一生懸命披露したいから、カラオケ大会に出場していました。

「だったら、若い世代ばかりが集まるカラオケ大会に出場すれば良かったのでは?」
と思われる人もいるかもしれません。
しかしながら、当時(10年以上前)はなかなかそのような大会は見当たらず、
カラオケ大会と言えば、カラオケ喫茶主催や演歌系のカラオケ雑誌主催の、
ご年配の方々をターゲットとしたものがほとんどだったのです。

このとき唯野は、カラオケ文化の「世代間断絶」を身をもって感じました。
カラオケは、老若男女が楽しめる娯楽のはずなのに。。

話を戻しましょう。
カラオケ大会で子供部門と大人部門を分けるべきと言う人もいます。
まさにこれは、10年以上前の唯野が感じた

「若い人は若い人だけでカラオケ大会をやってくれ」
「俺たちの縄張りに入って来ないでくれ」

といった、ある種の「住み分け」のようにも思えてしまうのです。。

たとえば世代によって部門分けをすることは可能です。
子供部門、若年部門、壮年部門、そしてシニア部門。

でも、、はたしてその住み分けに何の意味があるのかと感じてしまうのです。
カラオケ大会で「自分の出番に自分が歌えばそれで良い」というのはなんだかもったいない。
人の歌を聴くというのもまた大きな楽しみであって欲しいと思うのです。

ご年配の方々にも若い世代のポップスを聴いて欲しいですし、
若い世代の方々にもご年配の演歌を聴いて欲しい。
上位を目指して張りつめられている方にも、お子様の歌でほっこりして欲しいですし、
歌が大好きなお子様にも、真剣な出場者の鬼気迫る凄い歌唱を体感して欲しい。

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唯野奈津実プロデュース、池袋昭和歌謡のど自慢2015(閉会後)

100人の出場者がいれば、100人それぞれのバックボーンがあります。
それぞれが世代や背景を超えて交流し合えるところにもまた、
カラオケ大会の面白みがあるのかなと思っています。

「大会=審査結果がすべて」ではなく「大会=コミュニケーション」。
カラオケを通じて出場者同士の輪が広がれば最高ですよね。

そういう意味でも、10年以上前の唯野が感じた世代間の妙な「壁」を取っ払って、
大人も子供も同じ土俵で楽しめ、同じ空間で互いを称え合う、
そういう大会が理想だなと考えています。

とは言え、審査は審査。
子供だから、ご年配だからという理由で点数を甘くなるような審査は決して良くないです。
なので、審査員の先生方には主催側の方から事前に、
「子供・ご年配だという理由で点数が甘くならないようにお気をつけください」
といった「審査上の注意」を提示しておくのが良いかと思います。

そしてそのうえで、全ての世代が混じったカラオケ大会のもと、
お子様、ご年配の方々が見事な好成績を残されたとすれば、
それは大変に素晴らしいことかと思います。

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