カラオケ雑学と歴史

「クイズ!それマジ!?ニッポン」で紹介されたカラオケの発祥の地について。

投稿日:2015年4月13日 更新日:

フジテレビさんの人気番組、「クイズ!それマジ!?ニッポン」の04/12(日)放送分で、
カラオケについての問題が出題されました。

「Q. 岡山県で日本一早く◯◯(娯楽施設)が作られた!」

おそらく、このサイトをご覧いただいている方であればわかると思いますが、
答えは「カラオケボックス」。

1985年にコンテナ内にカラオケの機械を設置して営業を開始した「イエローボックス」が
カラオケボックスという形式の営業形態の元祖と言われています。
https://enjoysing.com/2013_09_01_23_00_30

最近では「岡山県=カラオケボックス発祥の地」というお話もかなり認知されてきたようで、
このとおり、パネラーの方々は全員正解でした。

01
(肖像権に配慮して画像を加工しています)。

唯野もその昔、TBSさんの「マツコの知らない世界」で
カラオケボックス発祥の地について紹介させていただきました。

04
カラオケボックス=岡山、という公式が今後益々広まって、
いずれは唯野主催で、
岡山県を舞台に大々的な「カラオケボックス祭り」を開催できればと考えています。
(ちなみに唯野自身も岡山市出身で、高校卒業まで岡山市在住でした)。

さて、今回の記事の本題はこのあとのお話。
「クイズ!それマジ!?ニッポン」では、このあとに余談情報として
以下のような紹介がありました。

03
(肖像権に配慮して画像を加工しています)。

実はこれは誤りで、神戸市の例よりも以前に
現在のカラオケ機械に準ずるシステムが流通していた例が複数あるのです。

「カラオケの発明者」として一般的に有名なのは、
米雑誌「TIME」にも取り上げられたことのある井上大佑さん。
http://www.sip-planning.com/karaoke/time.html

当時、夜の酒場の「流し」をされていた井上さんが、
自身の不在時でもお客様が歌を歌えるようにと演奏をテープに録音したところ、
それが好評だったことから、現在のカラオケの仕組みを考案し、事業化していていきました。
その事業がはじまったのが、1971年の神戸と言われています。

おそらくは、この「カラオケの発明者=井上大佑さん」説にしたがって、
番組で「カラオケ発祥=神戸市」というお話の紹介に至ったのかと思います。

しかしながら、実は1971年よりも前にカラオケという仕組みを事業化した事案は
他に何件も存在するのです。

したがって、「神戸市で日本一早くカラオケが始まった!」のテロップは、完全に誤りです。

カラオケの歴史については、以下の全国カラオケ事業者協会のサイトが詳しいです。
http://www.karaoke.or.jp/03nenpyo/shougen.php

カラオケという仕組みの事業化という観点で言えば、最古は1967年の根岸重一さんの例と考えられます。
根岸さんは主に東京で事業を営んでいましたので、
この事例を見るだけでもカラオケの発祥を神戸と言うことはできないです。

また、前述の全国カラオケ事業者協会のサイトでも、根岸さんの例よりも古い事案として、
ラジオ番組では昭和40年代にカラオケという単語が使われていたという例も紹介されています。
そういう意味では、当該のラジオ番組をカラオケの発祥と考えることもできます。

つまり、実際のところ、カラオケの発祥がどこか(何か)というのは、
「カラオケ」そのものの定義によって、解釈がわかれるのです。

歌唱のない伴奏音源そのものの媒体(テープ)をカラオケと呼ぶか。
テープ、再生装置、マイクを兼ね備えたシステムをカラオケと呼ぶか。

あるいは、カラオケを構成する機器の必須条件として、
他にも歌詞本やキーチェンジャーやエコー設定機能が最低限なければ、
それはカラオケとは呼べないという考え方もあるかと思います。

「何をもってカラオケと呼ぶか」を定めない限り、
誰がカラオケの発明者でどこがカラオケの発祥かを明言することはできないのです。

そういう意味で、唯野の見解としては、

「1960年代後半から全国各地で今のカラオケの原型とされるサービスが同時多発的に広がっていった」
「カラオケの発明者は明言することができない」
「カラオケの原型とされるシステムを最も早く事業化したと言われるのは根岸重一さん」
「カラオケ黎明期に事業化させた方の中で特に有名な方は井上大佑さん」

といったところになります。

つまり、事業化する前に「これがカラオケだ!」と考えてシステムを作ったわけではなく
伴奏に合わせて歌が歌える便利なアイデアを形にしてみたところ好評だったので事業化した、
という流れで始まったということです。

誰も、「カラオケ」を意識して「カラオケ」を作ったわけではない。
だからこそ、カラオケの発祥を語るのは難しいのです。

そういう意味で、「クイズ!それマジ!?ニッポン」で、
「神戸市で日本一早くカラオケが始まった!」というような断定系のテロップを出すのは
唯野としては適切ではないと考えます。

<補足>
ちなみに出題者の林修先生の、当該テロップが表示されている場面でのコメントは
「カラオケの発祥は神戸だと言われている」
といったものです。

さすが林先生、断定を避けて、「言われている」とあくまで一説として紹介しています。
この回答ならば妥当ですね。

しかし実際のテロップはこちら。

03
…これは視聴者のミスリードを招きますし、
林先生がそういう認識をしていると誤解される恐れもありますので、
ちょっと気をつけて欲しいところかと思います。

まあ、番組制作の方々は「視聴者へのわかりやすさ」を第一にしているという点は理解できるのですが。。

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