カラオケ評論家・唯野の「LIVE DAM STADIUM」所感

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2015年3月3日のDK FESTA2015にてベールを脱いだLIVE DAMの後継機種、
「LIVE DAM STADIUM」(ライブダムスタジアム)。

そのDK FESTA2015についてのレポートは、昨日当サイトにて書かせていただきました。
記事をご覧になっていない方は、まずこちらから。
●その1
https://enjoysing.com/2015_03_03_17_54_45
●その2
https://enjoysing.com/2015_03_03_23_02_51

それではここで、「LIVE DAM STADIUM」についての唯野の所感を述べさせていただきます。

1. さほどLIVE DAMと変わっていない
2. 2015年度はビッグエコーさんが躍進する
3. 呼びにくい

まずは1. について。
LIVE DAMと比べて大きく異なる点は、以下のとおりです。

a. モニタのデュアル出力(モニタを2個設置することが可能)
b. 臨場感あふれる「ライブサウンド」
c. 精密採点DXのバージョンアップ、精密採点デュエットの導入

a. は、前回の記事でも説明したとおり、映像をデュアルに表示することができる機能。
これはこれで、さまざまな可能性が考えられる機能です。
メイン画面は通常のカラオケ画面、サブ画面はDAM★とも撮影画面、など。

ただ、最大のネックとなるのが、
この機能を活用するには、カラオケルームにモニタを2台設置する必要があるという点。

多くのカラオケ店では、モニタの設置位置も含め、
テーブルやソファーやカラオケ機材といったレイアウトがすでに決まっています。
なので、ここでさらにLIVE DAM STADIUMのデュアル出力機能のために
モニタをもう一台導入しようとすると、レイアウトに無理が生じる可能性が高いです。
つまり、物理的に「置けない」、あるいは「不自然な配置」になる場合があるということ。

となると、仮にLIVE DAM STADIUMを自店に導入したとしても、
モニタは従来通り一枚のままという運用になる店舗が(当面は)多いかと思います。
つまり、せっかくのデュアル出力機能を生かせないということになります。

b. についても同様です。
おそらくこの「ライブサウンド」こそが、
LIVE DAM STADIUMの最大の売りかと唯野は思っています。
「ライブ」「スタジアム」という新機種の名称からも、その想いを伺い知ることができます。

クリップボード01
LIVE DAM STADIUM本体の真ん中下部にある赤いボタン。
これが「ライブサウンド」ボタンです。
このボタンをぽんと押すだけで、流れてくる音源は重厚感満点のサウンドに早変わりします。

実際、唯野も展示会のブース内で体感いたしましたが、
ボタンを押す、押さないで、音響が全然違いました。
そういう意味では、確かに「ライブサウンド」は新機種の目玉機能かと思います。

当日配布されたパンフレッドによると、、

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「eala(エアーラ)」という先進の音響技術によって、
「自然で奥行きのあるライブサウンド」で
「ライブ会場にいるような広がりと定位感のある音響空間を可能に」したそうです。

…音響にはそこまで詳しくないので説明を読んでもピンと来ないのが正直なところですが、
これはもう、実際にカラオケボックスで体感するのが一番かと思います。
これまでに感じたことのない物凄い臨場感でカラオケを楽しめるのかもしれません。
そうであれば、この機能一点においてのみでも、
LIVE DAM STADIUMは、LIVE DAMを凌駕する最新鋭の機種だと言っても良いと思います。

しかしながら、実はこれまた厄介な問題があるのです。
この「ライブサウンド」を最大限活用するためには、
ライブサウンドに対応したアンプとスピーカーが必要になるとのこと。

以下、第一興商さんの報道資料を引用します。

これら「LIVE DAM STADIUM」のパフォーマンスを最大限に引き上げるために、
周辺機器も一新しました。

スピーカーには、「ライブサウンド」の3Dサウンド性能をさらに高める「スーパーツイーター」を搭載。
高域を滑らかにすることで中低域も厚みが増し、ライブ感を際立たせます。
高いデザイン性でハイセンスなインテリアにもマッチする新型スピーカーは、
カラオケ空間に応じて8インチ(DDS-80)、6.5インチ(DDS-65)、5インチ(DDS-50)の
3サイズから選択することができます。
そして、オーディオICチップ「MUSES※2」を内蔵し、
さらなる高音質を追求したステレオデジタルパワーアンプ「DAM-AD7000」を組み合わせることで、
パワフルなサウンドを実現します。

http://www.dkkaraoke.co.jp/newsrelease/ajaxfiles/load2015.html?file=150303_01&name=報道資料

つまり、カラオケチェーン店は、LIVE DAM STADIUMを導入し、
LIVE DAM STADIUMの最大の売りを自店で発揮しようとするならば、
単に旧機種(LIVE DAM以下)をリプレースするだけではなく、
スピーカー、アンプもセットでリプレースする必要がある、ということです。
さらに言えば、ライブサウンドONモードを活用するにあたって、
何らかの「壁対策」(防音強化など)を必要とする店舗もあるかもしれません。

といった点を踏まえると、リプレースの敷居も上がります。
もちろん、わざわざ「ライブサウンド」というボタンがあるくらいですので、
オンにさえしなければ、これまでどおりのスピーカーでもある程度は使えるかとは思われます。
ただその場合、LIVE DAM STADIUMの「売り」を享受できなくなります。
であれば現場は、「LIVE DAMのままでいいかな・・・」という思考になりそうです。

結局、a. とb. を享受できないのであれば「LIVE DAMとさほど変わらない」ということに。。
また、c. の精密採点についても、昨日の記事で述べたとおりで、
ボーナスポイントによる加点が増えたくらいで、大きくは変わってはいないです。

ゆえに、さほどLIVE DAMと変わっていないとみなされて、
市場でのリプレースは当面は進まないと唯野は推測します。

という話の流れを踏まえて、「2. 2015年度はビッグエコーさんが躍進する」のお話を。

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第一興商さんの運営するカラオケチェーン店であるビッグエコーさんには、
当然のことながら積極的にLIVE DAM STADIUMを導入していくはずです。
先に述べた専用のスピーカーのアンプの設置は当然のこと、
ルームレイアウトについても、
LIVE DAM STADIUMの魅力を最大限引き出せるように構築するはずです。

しかしそれは、ビッグエコーさんだからのこと。
それ以外の他チェーン店は、これまでお話ししたとおり、
LIVE DAM STADIUMを最大限活かすリプレースには相応のコストが発生することから、
「しばらく様子見」になるかと思います。

となると、ビッグエコーさんと他チェーン店との間に差別化が発生します。
すなわち、当面(2015年いっぱいくらい)は、
「LIVE DAM STADIUMの重厚なサウンドで歌えるのはビッグエコーさんだけ」
という状況になるかと思われます。

すると、LIVE DAM STADIUM目当てにビッグエコーさんを選択するカラオケユーザーが増えるはず。
ゆえに、ビッグエコーさんは益々の躍進を遂げると予想します。

3. 呼びにくい」はそのままですね。。
「LIVE DAM」は「ライブダム」という5文字で非常に呼びやすかったですが、
「LIVE DAM STADIUM」は「ライブダムスタジアム」の11文字とかなり長いです。
通常、これだけ長いと略称で呼びたくもなりますが、
いざ考えてみると、なかなか適切な略称・愛称が思いつきません。
「ダムスタ」「ライスタ」も、なんだかピンときませんし。。

呼び名って意外と大事です。
DAMステーションの「ダムステ」、ランキングバトルの「ランバト」など、

頻繁に口から発する単語・名称には、知らず知らずのうちに愛着がつくものです。
そういう意味で、「呼びにくい」のはいささか気になるところです。

もっとも、そのうち自然発生的に愛称が生まれるかもしれないので、
「呼びにくい」というのは杞憂かもしれませんね。

・・・といったところが、唯野のLIVE DAM STADIUM所感です。
あとはもう、実際にカラオケボックスで歌ってみるしかありません。
4月16日のリリース、心よりお待ちしています。

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