選曲別ワンポイント歌唱解説(週刊オリ★スタ連載分)

残念ながら2016年3月に休刊になりましたが、
ヒットチャートでおなじみのオリコンさんの週刊誌「オリ★スタ」という雑誌がありました。
http://www.oricon.co.jp/information/20160126_pc.html

特に唯野は世代的に、「オリ★スタ」の前身雑誌「オリコン・ウィーク The Ichiban」を
過去に毎週愛読していて、今も何冊か自宅にバックナンバーが残っていたりします。

そして、唯野はかつて「オリ★スタ」のカラオケコーナーの連載記事を書かせていただいていました。
毎週一曲をピックアップして、曲の紹介とカラオケでのワンポイント解説をするといった内容です。

その時の連載記事ですが、ここで一部を公開してみたいと思います。

もっとも、一般誌向けの連載ということもあってあまり難しい(=上級者向きの)内容ではなく、
ライトな読者に「なるほど」「ふ~ん」とさらっと読んでもらえる記事を目指しました。

連載していたのは2013年と今から4年前で、
かつ雑誌の性格上、新曲(話題の曲)を取り上げるのが主でしたので、
今から見ればやや古めのチョイスになっているかと思いますが、
そこも含めたうえでご覧いただければ幸いです。

ちなみに連載一回目はAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」でした。

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◆「恋するフォーチュンクッキー」/AKB48

8月発売の『恋するフォーチュンクッキー』が絶好調のAKB48。
歌いやすいミディアムナンバーなので、
『ヘビーローテーション』のような息の長いカラオケ定番曲となりそう。
友達同士で歌うにもぴったりの一曲だが、声を張り過ぎると伴奏とのバランスが崩れるので注意。
親しみやすいメロディーなので、笑顔で優しく歌うほうがポイントは高いはず。
サビ前の「占ってよ」の部分だけは、
ほんの少しかわいらしさを入れて歌うと男性陣のウケもいいかも?

◆「チェリー」/スピッツ

待望のオリジナルアルバム「小さな生き物」が好調のスピッツ。
そんな彼らのカラオケ定番曲と言えば「チェリー」。
発表から20年近く経っても年間カラオケランキングの上位にチャートインするなど、
世代を超えて歌われる一曲だ。
歌いやすいイメージの強い曲だが、あまりさらっと歌い過ぎると間延びしてしまう。
Aメロは一音一音を歯切れよく跳ねるように歌うと、言葉がぐっと前に出てくる。
サビの「愛してる~」からは一転、息をたっぷり使って伸びやかに歌おう。

◆「青春花道」/ポルノグラフィティ

9月、10月と二ヶ月連続でシングルリリースを行うなど、精力的な活動を見せるポルノグラフィティ。
第一弾の「青春花道」は、どことなく80 年代のヒット曲を思い起こさせる、
懐かし目のメロディーが魅力の一曲だ。
歌詞の言葉が多い分、ブレスのタイミングを外すと歌い遅れてしまうので注意が必要。
ブレス前では語尾を伸ばし過ぎずにスパッと切ると、次の歌い出しがスムーズになる。
ラスト「Gimme Gimme…」はみんなで声を合わせて歌うと場も大いに盛り上がるはず。

◆「タマシイレボリューション」/Superfly

9/25に初のベスト版をリリースしたSuperfly。
6年間のパワフルな活動の軌跡が詰まった珠玉の一枚だ。
難易度の高い曲が多いが、カラオケで盛り上がるなら「タマシイレボリューション」がおススメ。
Superflyになりきって滑らかかつ迫力を出して歌おう。
「ハリケーン」「イメージ」など、英単語を流暢に歌うことがSuperflyっぽさを出すコツだ。
サビは息切れしないようにたっぷりと息を吸って。
サビラスト「戦いの歌~タマシイレボリューション」までを一息で歌えるとカッコいい。

◆「未来のミュージアム」/Perfume

約2年ぶりのオリジナルアルバム「LEVEL3」をリリースしたばかりのPerfume。
テクノポップはサウンドに独特のクセがあるので歌いにくいイメージがあるが、
本作の中では「未来のミュージアム」が比較的歌いやすい。
語尾を伸ばさずにスパッと切ると、テクノポップっぽく聴こえやすい。
サビの「ミュージアム」「ファンタジー」だけは、柔らかく包むように歌うと、
歌に安心感が出てくる。
フリつきで明るく歌っても盛り上がるが、逆に表情を消してクールに歌ってもカッコいいかも。

◆「どうして君を好きになってしまったんだろう?」/東方神起

10/23 発売予定のライブDVD が今から待ち遠しい東方神起。
デビュー10 周年間近の彼らには代表曲は多いが、
カラオケで歌うなら「どうして君を好きになってしまったんだろう?」がお勧めの一曲。
前半は淡々とした伴奏が続くのでクールに歌おう。
あまり気持ちを込め過ぎると歌が重苦しくなるので注意。
大サビの「もうどうして~」からは一転、抑えていた気持ちを解放して歌うと良い。
「僕の横にいるはずだった」に盛り上がりのピークを持っていくと、
歌詞の想いを最大限伝えられるはず。

◆「AHEAD」/VAMPS

ヨーロッパツアーがファイナルを迎えたばかりのVAMPS。
最新アルバム「SEX BLOOD ROCK N’ROLL」も海外リリースするなど、
世界を股にかけた活躍が目覚しい。
最新シングル曲「AHEAD」もほぼ英語詞のスピード感あふれる一曲だ。
歌う際は、十分に曲を聴き込んで英語詞の発音や流れを掴んでおかないと歌い遅れてしまうので注意。
カラオケ画面では英語詞にカタカナを振ってあるので、慣れないうちは頼るのも良し。
疾走感をキープしながら歌い、ラストの「stay」で爆発させるとカッコよく決まる。

◆「恋音と雨空」/AAA

半年間にわたるライブツアー
「AAA TOUR 2013 Eighth Wonder」のファイナルを10/19に終えたばかりのAAA。
ツアー中に発表した最新シングル「恋音と雨空」は、どことなく感傷的なサウンドが印象的な一曲だ。
こうした言葉数の多い曲は、歯切れ良く歌うことを心がけておこう。
「時間が一秒でも長く」など、リズミカルに言葉を乗せないと噛んでしまうので注意。
男女のパートを気にせずに歌える曲なので、
ラストのサビは男女で掛け合うように歌うと、一体感を味わえて心地よいはず。

◆「Choo Choo TRAIN」/EXILE

半年間に渡るライブツアーを終えたばかりのEXILE。
ライブツアーでは、2年ぶりに「オカザイル」が復活するサプライズもあり、
「めちゃ×2 イケてるッ!」でも大反響を呼んだ。
オカザイルとして披露された「Choo Choo TRAIN」は、EXILEとしてもカラオケ定番曲だ。
ポイントは「Fun Fun We hit…」の歌い出し部分。
ここのタイミングを外すと、「同じ風の中…」以降もずれてしまうので要注意。
EXILEのようにクールに歌うのもよいが、とびっきりの笑顔で歌うと場も大きく盛り上がるはず。

◆「ハート・エレキ」/AKB48

AKB48の33枚目のシングル「ハート・エレキ」は、
初センターを務める小嶋陽菜の堂々としたステージングも見所の一曲。
ノリの良い曲調で明るく歌える曲だが、あえて原曲と違った味付けで歌っても面白い。
Aメロ「この指でしか伝えられない」あたりは、切なさを混ぜて歌うと色気がにじみ出る。
サビ前は「狙い撃ちっ/しよう」のように、間をスパッと切るところがポイント。
歌がぎゅっと締まってくる。ラスト「人差し指~」は、
曲調どおり前向き感いっぱいで自信を持って歌おう。

◆「明日がくるなら」/JUJU

映画「すべては君に逢えたから」の主題歌「守ってあげたい」がリリース目前のJUJU。
映画も新曲も待ち遠しいが、それまではJUJUのヒット曲をカラオケで歌って振り返ろう。
人気の高い「明日がくるなら」は、ファルセットで歌う箇所をあらかじめ覚えておくと歌いやすい。
ファルセットの声量に自信のない人は、マイクを口にぐっと近づけるとよい。
その分、歌声を大きく聴かせることができる。
ラストサビ前「君のそばにいさせて」は、この曲の肝とも言えるフレーズ。
精一杯思いを込めてサビへと繋げよう。

◆「クルクル」/E-girls

10月に「ごめんなさいのKissing You」をリリースしたばかりのE-girlsが
早くも新曲「クルクル」を発表。
ポップなメロディに前向きな歌詞なので、歌って元気の出るカラオケ向きの一曲だ。
「たった一度の人生を~」は、歌詞全体を通してのキーフレーズなので、
言葉を伝えるように特に発音を丁寧に歌おう。
サビの「クルクル」は「クッルクール」のように「ッ」を入れて歌うと、
言葉が跳ねてリズミカルな歌唱に仕上がる。
パートが分かれている曲なので、みんなで交互に歌って盛り上がろう!

◆「守ってあげたい」/ゆず

ゆずの新曲「守ってあげたい」は、JUJUに提供した同名ソングの男性歌詞バージョン。
JUJU版とはまた違った力強さも魅力の一曲だ。
Aメロの歌詞は相手への語り掛けになっているので、
歌い出し「いつかこんなに…」からは、一言一言を優しく歌うことを心がけよう。
サビのポイントは「たとえどんな試練が…」の部分。
「どんな」を強調して歌うと、ぐっと力強さが乗ってくる。
サビラスト「守り続ける」は、一転して抑えて歌い終えると、
程よい余韻が残って、情感のある歌に仕上がるはず。

◆「EZ DO DANCE」/TRF

デビュー20周年を迎えたTRF は、
昨年発売のエクササイズDVD「EZ DO DANCERCIZE」シリーズが
累計でミリオンセラーを達成するなど、世代を超えた活躍を続けている。
カラオケ定番曲「EZ DO DANCE」は難しそうなイメージがあるが、
ポイントを抑えれば意外と歌いやすい。
DJ KOOパートはモノマネっぽくても良いので歯切れ良くクールに決めよう。
Aメロは「脱ぎ『去る』」など、ファルセットが肝なのではっきりと。
サビの「I’ve got feeling」で語尾をスパっと切ると疾走感のある歌に仕上がる。

◆「奏(かなで)」/スキマスイッチ

12/28に日本武道館でのライブを控えているスキマスイッチ。
デビュー10周年の今年はベストアルバムをリリースするなど精力的な活動が目立った彼らだが、
カラオケ定番曲と言えば、「奏(かなで)」。
感情移入しやすい歌詞で歌い心地も十分だが、後半は転調して音域が高くなるので、
あらかじめ無理のないキー設定にしておくとよい。
前半を淡々と抑え目に歌うと、後半の盛り上がりとのメリハリがぐっと出てくる。
大サビ前の「僕の声で守るよ」は、気持ちを最大限にぶつけて歌おう。

◆「ピースとハイライト」/サザンオールスターズ

5年ぶりに発表した新曲「ピースとハイライト」が週間シングルランキング初登場一位と、
いまだ衰え知らずのサザンオールスターズ。
ポップなメロディとメッセージ性のある歌詞とが程良くマッチした一曲だ。
サザンにしてはさほど癖の強くない曲なので、
カラオケで歌うときは、声マネをするよりもむしろ歯切れ良く自然に歌うほうが、
楽曲の良さが生きてくる。
サビ「希望の苗を~」からは、みんなで声を合わせて大きく歌うと場もきっと盛り上がるはず。

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(上記記事、文字数はそれぞれ200~250字程度にて執筆いたしました)

<追伸>
10代後半の頃、唯野はかなり音楽ヒットチャートおたくで、
毎週のようにオリコンシングルチャートを気にしていました。
今でも年間ランキングなど、90年代のものは売上枚数も含めてかなり頭に入っています。
なので、オリ★スタから連載依頼をいただいたときはすごく光栄な想いをいたしました。

昨今はシングルチャートと実ヒットとの相関を取るのが難しい時代になり、
休刊もやむを得ないことかと思いますが、
唯野がシングルチャートの発表を毎週どきどきして待っていた90年代のように、
今の時代もヒットソングが連発して音楽業界が活性化していけばいいなと思います。
唯野自身もカラオケ評論家の立場で何かしら尽力できればと思っています。

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