カラオケ評論家活動

音階を分析すれば練習曲がぐっと覚えやすくなります。

投稿日:2016年4月28日 更新日:

どんな曲でも数回聴けばそれなりに歌えるという上級者であれば別ですが、
多くのカラオケユーザーにとって、
自分の歌いたい曲を練習するにあたってまず課題となるのが、
できるだけ正しい音程で歌うということかと思います。

音程とリズムは、建築でいうところの基礎(土台)のようなもの。
そこに歌声を乗せ、歌いまわしや表情・仕草で表現することで歌は完成します。
なので、やはり土台である音程やリズムは大事です。

とは言え、正しい音程で歌うにあたっての「音感」ですが、
なかなか一朝一夕に身につくものではありません。
実際、「自分は音感がないから上手く歌えない…」と悩まれる方も多いものです。

ただ、そういったお話を聞くたびに唯野は思います。
「その歌」を歌えない理由ははたして本当に「音感がない」からなのでしょうか?

「歌っていてなんとなく音程がうまく取れない…」という方について、
多くの場合、以下の理由を混同してしまっているように思うのです。

a. その曲の正しい音階はわかっているがそれでも音程を取れない
b. その曲の正しい音階をそもそも知らない

そして多くの方がつまずいているのは、実はbの理由なのではないかと思っています。

童謡の「ちょうちょう」の音階は
「ソ・ミ・ミ/ファ・レ・レ/ド・レ・ミ・ファ・ソ・ソ・ソ」です。

ところで音感に自信のない人の場合、
たとえこうした「ちょうちょう」のような簡単な曲であったとしても、
音階を頭でわかったうえで歌うのとそもそも全く知らずに歌うのとでは、
「歌いやすさ」の面で全然違うと思うのです。

音階を頭でわかってさえいれば、少なくともその音階を意識して歌おうとします。
「ソ・ミ・ミ」であれば、一音目から二音目で音階が下がること、
二音目と三音目は同じ音階であることがわかります。

もちろんそれでも正しい音階で歌えない(=音程を取ることそのものが苦手)
ということはあるかと思いますが、
少なくても頭で音階を理解しさえすれば、なんとか合わそうという意識で歌うはずです。

しかしながらこれが逆に、音階を全く知らずに歌う場合、
「なんとなく」の流れで歌ってしまうことにもなるでしょう。
その結果、「なんとなく」音が合っていない、自分は音程が取れない、ということに。。

音感に優れた方であればわざわざ音階を明記しなくてもわかるのでしょうが、
そうでない方にとっては、
まずは頭で理解することが、音合わせの「道しるべ」にもなるものなのです。

つまり、

a. その曲の正しい音階はわかっているがそれでも音程を取れない
b. その曲の正しい音階をそもそも知らない

について、まずはbをクリアすることが、
その曲を正しい音階で歌えるようになるための近道なのかなと思います。

そんなときに非常に便利なのが、カラオケの採点機能(「見えるガイドメロディー」機能)。

ご存知のとおり、最近のカラオケでは音階を表すバーが表示される機能があり、
それを見ることで、今歌っている箇所の音階の高低を意識することができるのです。
(便利な時代になりましたね)。

ではこの機能を利用して、練習曲の音階を具体的に書き出してみましょう。

今回、JOYSOUND MAXの分析採点マスターを使いました。

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こちらの曲、hydeさんがカバーしたglobeの名曲「DEPERATURES」。
このように、歌詞に合わせておなじみの音程バーが表示されていますね。
これを覚えるのです。

…とは言え、音階の高低差はわかっても、そのバーの高さが「ドレミ」のどれにあたるのか、
ぱっと見てわかりにくいもの。。
なので、フレーズごとに写真を取ってしまいましょう。
そして、家に帰ってから写真を元に、各フレーズの音階を書き起こすのです。

JOYSOUNDの分析採点マスターもDAMの精密採点DXも、
その曲の音域(最も低い音階と最も高い音階)が表示されます。

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こちらは分析採点マスターの結果画面。
最低音がド#で最高音がミと表示されていますね。
これが、その曲の音域です。

この最低音・最高音を基準に音程バーと照らし合わせて、
各フレーズごとに音階を「ドレミ」で書き出してみると、
より具体的に音階をイメージすることができるのです。

たとえば先ほど紹介した「DEPERATURES」の場合、
hydeさんバージョンで原曲キーをマイナス5したところ、音域は「レ~ファ」でした。

今回は視覚的にわかりやすくするために、このような棒グラフを作ってみました。

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こちら、Aメロの一部です。

たとえば、歌い出し「ずっと/ふせた/ままの」の音階は「ソラミ/ソラレ/ソラミ」です。
よく見ると、真ん中の終わりが「レ」になっているだけで音階の流れはほぼ同じです。
であればこの部分を歌う際には、
「ずっ『と』/ふせ『た』/まま『の』」の、3音目の部分について、
高さの違いを意識すれば良いということがわかります。

さらにその先を見てみると、

「しゃしん/たての/ふたり」「えがお/だけは/いまも」
「いつの/ひから/とおく」「たびだ/ちのひは/なぜか」

の各フレーズはすべて同じ「ソラミ/ソラレ/ソラミ」で出来ていることが分かります。

つまり、この「ソラミ/ソラレ/ソラミ」だけでも合わせられるようになれば、
Aメロの大半部分を正しい音階で歌えるようになるというわけです。

このように、正しい音階を分析し、知ることによって
練習のポイントがぐっと明確になるのです。

もちろん、音感に自信のある方であれば、
こうした同じ音階の繰り返しパターンは聴けば瞬時にわかることかと思います。
しかしながら音感に自信のない方の場合は、
まずは頭で音階を理解してから練習することが大事なのかなと思っています。

 

「なかなか正しい音程で歌えない…」
「カラオケ大会でいつも『ピッチが悪い』と指摘される…」

といったお悩みを持つあなた。

a. その曲の正しい音階はわかっているがそれでも音程を取れない
b. その曲の正しい音階をそもそも知らない

aについては相応のトレーニングが必要となりなかなか大変ですが、
bについては多少の手間がかかるだけで誰にでもできることかと思います。

なので、まずは正しい音階を紙にプロットしてみてはいかがでしょう?
同じ音階パターンの繰り返しなど、意外な発見があるものです。
そしてその意外な発見こそが、その曲をマスターするための近道になるものかと思います。

<追伸>
hydeさんの「DEPERTURES」すごくカッコいいです。
(avexさん公式Youtubeチャンネルより)

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