「カラオケボックスは安全」から「カラオケボックスは安心」とするために。

カラオケ業界団体である一般社団法人「全国カラオケ事業者協会」のサイトに、
「カラオケボックスは安全 カラオケボックスでクラスターが発生しない理由とは」
という記事が掲載されています。


https://www2.karaoke.or.jp/covid-19/

この記事は多くのカラオケチェーンの公式サイトやSNS等にて周知されましたので、
カラオケファンであればご覧になったことのある方も多いかと思います。

また、yahooニュースなど多くのニュースサイトにも記事が書かれていますので、
カラオケファン以外の一般の方の目にも留まったことと思います。

記事の内容を簡単に紹介すると、以下の通りです。

・カラオケボックスは建築基準法上において、強力な換気設備が求められている
・強力な換気設備によって、カラオケボックスの空気は短時間で全て入れ替わる
・換気により飛沫接触を抑制しやすいので、クラスターの発生しにくい構造となっている

上記に関する検証実験の動画も、上記掲載サイト上に公開されています。

そして、ゆえに「カラオケボックスは安全」と結論付けています。

カラオケボックスには建築基準法上、強力な換気設備を必要とされるという事実は、
おそらくほとんどの方がご存知なかったと思います。
その点では、カラオケボックスにとっての好材料の事実が一つ周知されたことになります。

とは言え、今回の検証記事だけをもって、
コロナ禍でカラオケを敬遠することとなった多くの方々がはたして、

「そうか、カラオケボックスは安全なんだ」
「じゃあ、明日からコロナ前のように歌いに行くぞ!」

とまで安心しきるかと言えば、必ずしもそうとは言えないと思います。
おそらくは、

「そうは言っても本当にだいじょうぶなの…?」
「ほんとかなあ?」
「これって全てのカラオケボックスに本当に当てはまってるの?」

といった疑念を持ち続ける方々もいらっしゃることでしょう。

こうした疑念を払拭してこそ初めて、
カラオケボックスは(構造面の)「安全」から(心理面の)「安心」の場となるものと思います。

たとえば具体的には以下の疑念を持たれるかもしれません。



・換気システムは正しく稼働しているのか(老朽化で止まっていたりしないか)?
・換気システムのオン・オフは利用客任せなのか、それとも店舗で管理しているのか?
・(古い店舗の場合)そもそもその建物が建築基準法を満たしているのか?

つまり、全国カラオケ事業者協会による検証記事はあくまで土台の情報であり、
その土台に対して、各々のカラオケボックスは、

「カラオケボックスには強力な換気設備が求められます」
「たとえば当店ではこのような換気の仕組みとなっています」
「だから安心してご利用ください」

と言った追加の説明が、各々の事業者単位(カラオケチェーン単位)で必要かと思っています。

そこでようやく「カラオケ店○○は安心だ」と思っていただけるはずです。

言ってしまえば、上記の検証記事はあくまで一般論です。
その一般論を自店の実情に落とし込んで説明して初めて、お客様も安心できることと思います。

無論、コロナ対策は換気性の問題だけではなく、
まさに多くのチェーン店でさまざまな消毒対策・三密対策を取られていますし、
その実例もまた多くのチェーン店でホームページ等に掲載されています。

同様に、自店の換気性に関する説明についても、
単に全国カラオケ事業者協会の記事のリンクを張って終わりにするだけではなく、
(記事と共に)「ウチの店舗の換気もこの通りバッチリです」といった実例を掲載することで、
より説得力をもってお客様に受け入れられるものと思っています。



<追伸>

カラオケならではの感染リスクと言えば、何と言っても歌うことによる飛沫感染かと思います。
このリスクを軽減(限りなくゼロに近づける)ためには、

1. 一部屋あたりの入室人数を制限する(密接・密集を避ける)
2. マイクを個別にする(飛沫接触の可能性を軽減する)
3. マスクをして歌う(大声で歌うことによる飛沫の普段以上の飛散を避ける)

かと思います。

まず1は、現在既に多くのカラオケボックスで運用されています。

2についてですが、最も飛沫接触のリスクが高いのはマイクの使い回しと思われますので、
マイクを個人専用と(つまりマイマイクの持参を推奨)すれば、
大分、飛沫接触の可能性は軽減されると思います。

もっとも、マイマイクの持参でなくても、
少人数(4名程度)であれば、フロントでマイクを人数分貸し出すという方法でも良いかと思います。

大人数の場合はさすがに人数分を貸し出すのは現実的ではないので、
その場合はマイク用の除菌スプレーを各部屋に用意して、
マイクを使い回すたびに利用者に除菌してもらうという運用になるかと思います。
(飛沫接触対策を利用者に委ねるという点でややリスクはありますが…)

3は、たとえマイマイクであってもいざ歌うとなるとつい気持ちが乗って、
普段以上の大きな声で歌うことで普段以上に飛沫が遠くに拡散するというリスクを
未然に防ぐものでもあります。

既にJOYSOUNDには「マスクエフェクト」という
マスクをつけたままでも歌声を通りやすくする機能がございますので、
こうした機能を利用するのも一案かと思います。

上記のリスクさえ防ぐことができれば、
カラオケのリスクは一般的な飲食店と大差ありません。
むしろ個室である分、飲食店よりもリスクが少ないと言えるかもしれません。

コロナ報道で「カラオケ」と多く名指しされることによる風評被害を払拭するためにも、
カラオケ特有の「歌う」ことのリスクを限りなくゼロに近づける施策の展開と共有が、
早々に必要かと思っています。

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