本州最東端の地・魹ヶ崎(とどがさき)に行ってきました。

世間ではすっかり夏休みということでカラオケボックスも大盛況。
待ち時間が発生することもしばしばです。

カラオケボックスに限らず、
観光地もおそらくどこも人でいっぱいなのではないでしょうか?

というわけで、行楽シーズンにあまり人がいなさそうな場所に行ってきました。
本州最東端の地、岩手県宮古市にある魹ヶ崎(とどがさき)です。


場所はこのあたり、ちょうどリアス式海岸の中で一番東に出ている所です。

もっとも、交通の便が整備されている他の多くの観光地とは異なり、
この魹ヶ崎へ行くには、近隣のキャンプ場まで車で行き、
そこからさらに1時間ほど山道を歩く必要があります。

というわけで、宮古駅前でレンタカーを借りていざ出発です。


車で向かっている道中ですが、途中の県道は山道なのでこのように森の中状態です。


道幅が非常に狭く、対向車が来たら大変なので慎重に運転します。
まだスタート時点にも達していませんが、この時点で既に不安になります。。


宮古駅から1時間ほどでようやく、魹ヶ崎への入り口、姉吉キャンプ場へ到着しました。


このように自然の中でのんびりできそうな小ぎれいなキャンプ場です。
奥に見える小屋は炊事場になっています。

ここに車を止めて、これから徒歩で魹ヶ崎まで向かいます。


ここがスタート地点です。
虫よけスプレーをたっぷり振りかけて、いざ出発。


魹ヶ崎まではここから3.7kmとあります。
そして、クマさんも出るそうです。
頭の中を「森のくまさん」がリフレインしました。

上り坂を歩いていると、


「落ちそうで落ちない浮玉」という看板があります。
矢印の方向を見上げると…。


木の上に丸いボール状のものが引っかかっています。
海とかによく浮かんでいる球ですね。


この看板通り、このあたりも津波で浸水したようで、
先ほどの球もその時からずっと木の上に引っかかっているようですね。
改めて津波の高さを物凄さを感じます。


道中はこのように一本道なので道に迷うことはありません。
ただひたすら道なりに進んでいきます。

とは言え、上り斜面あり下り斜面ありぬかるみあり木の枝ありで、
舗装もされていませんのでなかなか普通の道というわけにはいきません。

登山靴までは必要ないですが、スニーカーなど歩きやすい靴は必須です。
革靴や草履での来訪はおススメできません。。

周りを見渡すと…


このように木々に取り囲まれているのがわかります。
朽ちた木なども見られ、自然の盛者必衰を感じます。

歩いているとこのように、ところどころに標識が見られます。


入口から550mとあります。
ゴールまでの距離が3.7kmだったので、まだまだですね。


ガケオトシ沢とあります。
一人で歩いていてこの名前を見ると怖くなりますね。。
魹ヶ崎まで2.8kmとあります。


ここで山火事が発生したらどのように逃げれば良いのでしょうか…。
ここまでで1.6km。残り2.2kmのようです。


灯台(魹ヶ崎)まで1.8km。
ようやく中間地点といったところでしょうか。
真夏ということもあり、汗がだらだらです。
汗拭きタオルを持ってくるべきだと感じました。


カゴシルシ沢とあります。
籠の印、という意味でしょうか?

そもそも「沢」っていったい何なのでしょうね…。
分かっているようで分かっていなかったです。


コヒカシリ沢です。
コシヒカリみたいな名前です。


アカサキ沢です。
赤+咲き…?
全く由来が想像つきません。

沢の立て看板の下を見ると…。


灯台まで残り600mとあります。
ゴールはもうすぐです。


ついに残り120m。
ボルトなら10秒ぐらいでゴールに行ける距離です。
とは言えまだまだけもの道。唯野はここから2分ぐらいかかりました。

ひたすら森の中を歩き続けて50分。
ついに目の前の景色が開けてきました。


分かる人にだけ分かるネタですが、
ロンダルキアの洞窟を抜けた時のような感覚になりました。


ここが地の果て、魹ヶ崎です。


本州最東端の碑です。
ごつっとした岩にプレートが埋め込まれているというこの飾り気のなさが
かえって遠くまで来た感を味わわせてくれます。


慣れない自撮りのため疲れ切った情けない顔になっています。
こんな表情でも心の中は達成感でいっぱいでした。

山道を車で1時間、そしてさらに徒歩で1時間。
簡単に行けない場所だからこそ、辿り着いた達成感は格別です。

周りには人っ子一人いません。
この雄大な景色を全て独り占めです。


崖フェチの唯野にとっては格別です。
この荒廃感が何とも言えません。
世界の地の果てという感じが最高です。
しばらく崖の先端に座って太平洋を眺めながらぼ~っとしていました。

昔、福井県の東尋坊に行ったことがあります。
「自殺の名所」などと言われることもあるのでさぞや寂しい場所かと思いきや、
行ってみると観光客で賑わっていました。

この魹ヶ崎ではひとりぼっちです。
時間の流れを忘れる最高の贅沢を堪能しました。

さて、ここには無人の灯台があります。


向こう側に見えますね。
そちらにも行ってみましょう。


灯台の入り口です。
昔はこの灯台にも守番さんが住んでいたそうです。
今は住んでいる人もいなければ、担当者が常駐しているわけでもありません。
本当にこの魹ヶ崎は、来ても迎えてくれる人は誰もいないということです。
(もちろん売店もお土産コーナーもありません)。


下から見上げるとなかなか雄大です。
この灯台は年に数回ほど中を一般公開される日があるそうです。


灯台の向かいには屋根付きの休憩スペースがあります。
4kmほど歩いてここまでたどり着いた人々にとってのオアシスですね。


秘境駅などにありがちな旅人用のノートがあります。
唯野も記念に書いてみました。


東京カラオケまつり板橋大会の告知をいたしました。
このノートを見て8月25日に会場に来る人がいたら抱きしめます。


そして満天の荒涼感をたっぷり味わった後、再び来た道を戻ります。

魹ヶ崎には30分ほど滞在しましたが、その間で唯野の後から来た人は2名でした。
片道の3.7kmの間ですれ違ったグループも5組程度はいた気がします。

なので、まるっきり誰も来ない場所というわけでもなく、
相応の間隔で魹ヶ崎に向かっている方々はいるようです。

いざという時は大声を上げれば誰かが気づくレベルには人がいますので、
その点では安心できるかと思います。

どこに行っても人でいっぱいの観光シーズン。
人の少ない隠れ家的名所に行ってみたいという方、
ぜひ本州最東端の地・魹ヶ崎を訪れてみてはいかがでしょうか?
(最寄のキャンプ場から成人男性で徒歩50分程度です)。

<追伸>

東北地方に展開しているカラオケ招福亭クレヨンさんに伺いました。
(上:久慈駅前店、下、宮古末広店)
こうしたご当地カラオケボックスは独特の色があって大好きです。

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