「ダンシング・ヒーロー」ついにカラオケランキング第1位。

勢いとは凄いものです。
高校生ダンス部のパフォーマンスをきっかけに一大ブームとなった、
80年代のヒット曲、荻野目洋子さんの「ダンシング・ヒーロー」。
ついにJOYSOUNDのデイリーリクエストランキングで第1位となりました。


JOYSOUNDデイリーランキング(2017/12/26 23時更新)
https://www.joysound.com/web/karaoke/ranking/all
(リンク先の順位は本記事掲載当時とは異なる場合があります)

つまり、JOYSOUNDだけで言えばですが、この日、日本で最も歌われた曲ということになります。
昨年末から50週以上連続で週間ランキング第一位を獲得した星野源さんの「恋」や
クリスマスの定番曲として支持を集めるback numberの「クリスマスソング」よりも歌われています。

DAMについても、デイリーランキングの発表はありませんが、
ウィークリーランキングでは現在第3位となっています。


DAMウィークリーランキング(2017/12/17~2017/12/23)
http://www.clubdam.com/app/dam/dam/rankingTop50_link/index.html
(リンク先の順位は本記事掲載当時とは異なる場合があります)

「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」は1985年11月21日にリリースされた曲で、
リリース後から1986年前半にかけて大ヒットとなりました。
2017年の現在からさかのぼると、今から32年前の曲です。

ちなみにこの1985年に、日本で初めてカラオケボックス形式の店舗が誕生したとされています。
カラオケボックスはその後、全国で大ブームになり、そして現在に至りますが、
逆に言えば、1985年当時においての「カラオケ」とは、
スナックなどのいわゆる「ナイト市場」を中心としたお酒の場での娯楽のものであり、
老若男女誰でも身近に楽しめるといったものではなかったのです。

…ということを考えると、
実は過去32年間で最も「ダンシング・ヒーロー」が歌われているのは、
32年前当時ではなく、今この現在なのかもしれません。

そしてまた、これだけ多くの支持を集めているということは、
単なるブームとして「とりあえず歌われている」というわけではなく、
楽曲そのものもまた、現在聴いても歌っても新鮮に感じる名曲だったということだと思います。

実は、カラオケランキングにおいて、
急に過去のヒット曲がランキングの上位に入ってくるという現象は、
時折見られたりもするのです。

主にそれは、歌手が事件を起こした時や亡くなった時。

特に事件においては、レコード会社等が一斉にCD等を回収するのに対し、
カラオケではそのまま変わらず歌い続けることができるため、
多くのユーザーが「思い出したように」カラオケで歌うといった傾向が見られます。

しかしながら今回の「ダンシング・ヒーロー」現象は、
高校生の懸命で見事なダンスが火付け役となってのムーブメントですので、
カラオケランキングとして見ても、非常にポジティブな急上昇チャートとなっています。

大晦日のNHK紅白歌合戦でも、高校生の皆様がダンスを披露するとのお話もありますので、
この「ダンシング・ヒーロー」現象は、翌2018年もしばらく続いていくものと思われます。
(もっとも紅白歌合戦ではなぜか、荻野目洋子さんではなく郷ひろみさんとコラボするようですが…)

また、こうした過去のヒット曲の再ヒット現象は、
カラオケのみならず音楽業界そのものを活性化する効果もあると思います。

80年代、まだまだ現代に通用する名曲がいっぱいございます。
第2の、第3の「ダンシング・ヒーロー」の登場もまた期待したいと思います。

<追伸>

現在の高校生がなぜ32年も前の曲を知り、そしてダンスに取り入れようと考えたのか?
それは、明らかにYoutubeの影響が大きいと思います。

現在、Youtubeには過去のヒット曲の映像が非常に多くアップされています。
言ってしまえば、Youtubeは過去の名曲を知るきっかけの場でもあるわけです。

とは言え、厳密に言えば、
版権のあるCD(昔で言えばレコード)音源をそのままアップすることは、
著作権的にはNGですし、
「ザ・ベストテン」のような過去の音楽番組の映像をアップすることもNGです。

Youtubeにおいて権利をクリアできるのは(オフィシャルを除き)、
「JASRAC登録曲のうち、自分自身の演奏(もしくはアカペラ)で歌った動画をアップすること」
までです。

しかしながら現実としては、
過去のヒット曲の音源や音楽番組の映像がそのままアップされているケースは無数にあり、
その音源をきっかけに過去のヒット曲に脚光があたる例もまたございます。

このあたり、音楽業界全体の活性化という視点で考えるならば、
今後はある程度の規制緩和を認めていくことが現実的な流れであるかと思っています。

もちろん権利は大事ですが、そもそも音楽は「聴いてもらわなければ」知られようがありません。
そしてYoutubeは、今やインフラとして最大のポジションにある媒体と言えるものです。

権利の問題がクリアになり、音楽の流通がよりスムーズなものになることが今後期待されます。

<追伸2>

かつて「IKZOブーム」において、
吉幾三さんは自身のヒット曲「俺ら東京さいぐだ」が多く利用されたことについて、
「温故知新」と寛大な感想を述べられたとされています。

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