カラオケ黎明期の主役、クラリオンさんの8トラカラオケ

「カラオケ関連の企業と言われて思いつくのは?」と聞かれると、
多くの方々が、真っ先にまず第一興商さんを挙げると思います。

他には、カラオケ二大メーカーの一つ、エクシングさんや、
老舗の大手カラオケチェーン店のシダックスさんあたりが、
カラオケユーザーにとって思いつきやすいところかと思います。

しかしながら、1970年代~80年代にかけてのカラオケ黎明期、
カラオケ機器メーカーとしてカラオケ文化を牽引していたのは、意外なメーカーだったのです。

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それがクラリオンさん。
カーステレオやカーナビなど、車載オーディオの第一メーカーという印象が強いかと思いますが、
その昔は、オーディオメーカーとしての知見を活かして、カラオケ機器の製造・販売をしていたのです。
今でも、たとえば観光バスのカラオケシステムには、
クラリオンさんのカラオケ機器を見かけることが多いそうです。

1970年代初頭に、各地域の夜の酒場等で形になりつつあった「カラオケ」という仕組み。
しかしながら、当時はカラオケの定義すら定まっていませんでした。

演奏を録音したカセットテープを流すだけでも「カラオケ」と言えますし、
再生装置にマイクとスピーカーと複数の曲の入った演奏テープと歌詞本が揃ってはじめて、
システムとしての「カラオケ」だということもできます。

そんな時代に、
いち早くカラオケシステムを作り上げたメーカーの一つがクラリオンさんでした。

クラリオンさんは古くからオーディオ機器を専門にされていたということもあって、
当時カラオケの主要再生媒体だった「8トラックカセット」(通称8トラ)にも強かったのです。

1976年に、8トラの業務用カラオケ「カラオケ8」を発表して以来、
2002年にカラオケ事業を撤退するまで、業務用から家庭用まで
幅広くカラオケシステムの製造・販売をされていました。

そんなクラリオンさんの1982年のカタログを入手しました。

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家庭用カラオケのカタログです。
もちろん当時は通信カラオケではありませんので、
カラオケソフトとして、「カセットテープ100巻(400曲)」をセットで販売しています。
カラオケを家庭に導入するということが、
いかに大掛かりな時代だったということがわかるかと思います。

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ちなみにこの年(1982年)にクラリオンさんから発売された「MW-5000A」では、
家庭用として、クラリオンさん初の採点システムが搭載されました。

業務用の採点機能についても、前年度にクラリオンさんがシステム化していますが、
これが一般に、カラオケ採点機能の元祖と言われています。

今や多くのカラオケユーザーに利用され、テレビ番組の企画でも目にすることの多い「採点カラオケ」。
そのルーツは、30年以上も前のクラリオンさんにまで遡るわけです。

カラオケ文化に歴史あり、ですね。

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